2023.12.04
深める通学や通勤に費やす国民の平均時間は、往復で1時間19分だそうです。総務省統計局が行った最新の調査によるものです(2021年実施)。片道にすると39分余りですが、サフィウーラさんはその4倍近くの時間をかけて、通学していることになります。
なぜそんなにも多くの時間を費やして学校へ通うのか、私は10月下旬のある日、通学に同行して話しを聴くことにしました。
サフィウーラさんが乗車する駅は、札幌から南に約70㎞離れたJR苫小牧駅です。その苫小牧駅までは、自宅から、父が買ってくれたお気に入りの自転車を30分間こいで来ます。そして毎日、午後2時53分苫小牧発ほしみ行きの電車に乗り、札幌駅に午後4時4分に着きます。
その後、札幌の中心部をゆっくり歩いて約25分、午後4時30分に学校に着きます。始業時間のちょうど1時間前です。この日、苫小牧の自宅を出たのは午後2時過ぎでしたから、通学時間は約2時間30分でした。
【連載記事のラインナップ】
●プロローグ 開校2年目の夏~札幌市立星友館(せいゆうかん)中学校
●エピソード(1)モロッコと清龍~異国で生まれ育ったある日本人の場合 その1「思い出したくもない過去」
●エピソード(2)モロッコと清龍~異国で生まれ育ったある日本人の場合 その2「奇跡の来日」
●エピソード(3)農作業と入院~少女時代を取り戻す82歳と72歳の青春
●エピソード(4)同級生の前にさらされて…不登校経験者・Y(19歳)
●エピソード(5)「虐待で育ったから…」父子で通う同級生親子
●エピソード(6)3時起床23時就寝…もっと勉強したい56歳
●エピソード(7)モロッコと清龍~異国で生まれ育ったある日本人の場合・その3「再びホームレスと…」
●エピソード(8)「自主」と「公立」~交流で“生きた学校”として変わり続ける”まなびや”