「天気を味方にすると、暮らしはもっと快適になる!」をテーマに、北海道の暮らしにに役立つお天気情報の”見方”を気象予報士がお伝えします。
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札幌では11月11日に初雪が降りました。(平年より10日遅い観測)平年より遅い冬の訪れとなっていますが、今週末は一気に季節が前進。
冬型の気圧配置が強まり、冬の嵐になりそうです。
道内での初雪の観測は、8つの気象台および測候所で行われています。
今シーズンは、10月21日に旭川で観測したのを皮切りに、11月10日には稚内、11日には札幌・函館・室蘭・網走、14日は帯広と、いずれも平年より遅い観測となっています。(釧路では11月22日正午時点、まだ観測されていません)
この時季は、雪を降らせるような寒気が流れ込んでも、一時的です。
また、今シーズンは平年より高めの気温で経過しています。
ただ、週末は一気に季節が前進。冬型の気圧配置が強まって、上空に真冬並みの寒気が流れ込むため、今シーズン初の「冬の嵐」になるおそれがあります。
そもそも「冬型の気圧配置」とはどういうものでしょうか。説明します。
こちらの天気図のように、西に高気圧、東に低気圧がある状態を(西高東低の)冬型の気圧配置と呼びます。
高気圧の周辺は時計回りに、低気圧の周辺は反時計回りに風が吹きます。
このため、高気圧と低気圧の間にある日本列島は北風になって、北から冷たい空気、「寒気」が流れ込みます。
天気図に描かれている線は「等圧線」と呼び、この線が多ければ多いほど風が強まります。これが、冬型の気圧配置が強まるということです。
こちらは、24日(金)朝9時の予想天気図です。
まさに西高東低の冬型の気圧配置で、北海道付近にも等圧線がたくさん見られ、強い冬型の気圧配置が予想されます。
道内では金曜日から土曜日にかけて、日本海側を中心に警報級の風に雪を伴う、暴風雪となるおそれがあります。また雪の量も多くなり、大雪や吹きだまりによる交通障害などにも注意が必要です。
北部や内陸では今回積もった雪が春まで残る「根雪」になるところがあるかもしれません。
また、土日の最高気温は0度くらいで一気に厳しい寒さになります。
この週末は、雪と寒さへの覚悟が必要です。
今シーズン初の冬の嵐になりますが、暴風雪への備えはできていますか?
停電のおそれがあるため、懐中電灯やポータブルストーブの準備、また使えるかどうかの点検をしておくといいでしょう。また、車の中にはスノーブラシやスノーヘルパーの準備、立ち往生に備え、スコップや毛布、防寒着も積んでおきましょう。
お出かけの際は、最新の気象情報や交通情報の確認もお忘れなく!
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<PROFILE>
文・イラスト: HBCウェザーセンター 気象予報士 児玉晃
HBCテレビ「今日ドキッ!」の番組内でも独特(?)なイラストを使って天気をお伝えしています。HBCウェザーセンターのインスタグラムも開設!予報士のゆる~い日常も見られますよ。
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