16歳の誕生日に刻まれた、「生まれてこなければ」

1994年に東京都で生まれた二本松さん。自身の生まれ育った地域を「若年出産が多い地域」だと語ります。
「学生時代には、同級生が妊娠していて学校に来ないということもある、そんな地域でした」

二本松さんの両親も、結婚前に妊娠し、20代前半の結婚。若年出産でした。
「今でこそ病名が分かりますが、母は解離性人格障害という病気を持っていました。人格が変わってしまうんですね。僕が小中学生の頃は弟や母のお世話をしていました。いわゆる“ヤングケアラー”ですね」

2010年、16歳の誕生日に言われた一言が、二本松さんの中でその後も深く残ります。
実の母からの
「生まれてこなければよかった」
という一言です。

「その後両親は離婚して、僕は父の方についていきましたが、誕生日にそんなこと言われるなんて、本当に自分は生まれてきてはいけなかったのかもしれない。生きていていいんだろうかと、悩む日々が続きました」

今では淡々と語る二本松さんですが、当時はそんな苦しい心中を誰にも相談できずにいたそうです。
「父は、僕の母の病気が原因で残した借金を返すのに手いっぱいで。相談できなかったし、生活費などの支援ももらえるような状況ではありませんでした」

誰に頼ればいいかわからないまま過ごし、ご飯も食べられず、高校も休みがちになりました。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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