2023.11.17
深める1994年に東京都で生まれた二本松さん。自身の生まれ育った地域を「若年出産が多い地域」だと語ります。
「学生時代には、同級生が妊娠していて学校に来ないということもある、そんな地域でした」
二本松さんの両親も、結婚前に妊娠し、20代前半の結婚。若年出産でした。
「今でこそ病名が分かりますが、母は解離性人格障害という病気を持っていました。人格が変わってしまうんですね。僕が小中学生の頃は弟や母のお世話をしていました。いわゆる“ヤングケアラー”ですね」
2010年、16歳の誕生日に言われた一言が、二本松さんの中でその後も深く残ります。
実の母からの
「生まれてこなければよかった」
という一言です。
「その後両親は離婚して、僕は父の方についていきましたが、誕生日にそんなこと言われるなんて、本当に自分は生まれてきてはいけなかったのかもしれない。生きていていいんだろうかと、悩む日々が続きました」
今では淡々と語る二本松さんですが、当時はそんな苦しい心中を誰にも相談できずにいたそうです。
「父は、僕の母の病気が原因で残した借金を返すのに手いっぱいで。相談できなかったし、生活費などの支援ももらえるような状況ではありませんでした」
誰に頼ればいいかわからないまま過ごし、ご飯も食べられず、高校も休みがちになりました。
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