2023.10.27
深めるそう考えるとね。
パートナーと一緒に、しっかり黒猫ちゃんとの思い出を振り返ってみてはどうかしら。
語り合うもよし、アルバムやフォトスタンドといったメモリアルな品を作って懐かしんでみるもよし。
そこから「ああ、きっとあの子は、あたしたちのところに来れて幸せだったんだね」とお互いに確認することで、すぐにこころの中の喪失感が消えることはなくとも、それを乗り越えていくための第一歩は、きっとふたりのどちらも踏み出せるようになる気がするの。
何かファニーなことをやったり、気晴らしにどこかに出かけたり。
そういうのも場合によってはいいだろうし、何よりお相手の笑顔を取り戻すにあたっては、即効性はきっとあると思う。
(今回は最初、そういう方向をプッシュするかたちで、あたしなりの答え書こうかなぁなんて一瞬考えていたりしたのよ)
でも、それは一時的なもの。しっかりその人の中で「あの子」の存在が整理された上でなければ、しばらくすると同じ心理状況に戻ってしまいかねない。
元の木阿弥とまでは言いたくないけれど、その前にやらなきゃいけないことがきっとあるんじゃないかなと、個人的には思うんです。
だからこそ黒猫ちゃんについて、あえてたっぷり想いを馳せてみてください。あなたの家族について、あなたの家族と一緒に。
それがきっと、パートナーがきちんとこころから笑える土台を、ゆっくりだとしても着実に作ってくれるはずだから。
……その対象が人間であるかペットであるかは問わないとして、誰かの「おとむらい」をきっちりするということは、遺された人たちにとって格別な意味を持ちます。
どれだけ寂しかったとしても、ひとつの別れを全うするために色々と考え、そして動き、その過程で「自分たちと同じ時を過ごして、きっとあの子は素晴らしい生を全うしたはずだ」と納得すること。そうした経験は、未来を見据えていくための礎を築いてくれるでしょう。
明日から「もう大丈夫」とはならないかもしれない。
それでもあなたの働きかけによって、あなたの大事な人が顔を上げるかもしれない。
あなた自身も、今以上にしっかり前を向けるかもしれない。
きこりさん、ちゃんとパートナーと、愛するペットを失った痛みを共有してみて!
それが、あなたたちにとってのこれからを示す道筋。そして、なんならおそらくその道は、黒猫ちゃんのいる虹の彼方へと、どこか繋がっている気がするの。
同じような痛みをかつて抱えた人間として。
ふたりがこれから明るい笑顔で日々を過ごしていってくれるよう、きこりさん家族の行く末をこころから応援していますね。
というわけで、今回はペットロスについてというか、大切な家族を失うことについて、自分自身考えさせられることとなりました。
本当に久しぶりにシンバのこと思い出したなぁ。今どこにいるとしても、長い舌べろんとたらしながら笑っていてほしいと、心底願うあたしがいます。
そうそう、シンバって食べ物の好き嫌い結構きちんとしてたのよね。
気に入ったごはんはいつまでもガツガツ食べるんだけれど、ちょっとでも意にそぐわない味のフード出すとひとっくちも食べないの。
あれって、飼い主に似たからだったのかしら(あたしもそんなところがあるので)。
いつか再会したら聞いてみたい、なんてね。
そんなことを妄想しちゃったりもします。
うふふ、最後はちょいファンシーな話になったかしらね。
ではでは皆さん、Sitakkeね〜!
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文:満島てる子
イラスト制作:VES
編集:ナベ子(Sitakke編集部)
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満島てる子:オープンリーゲイの女装子。北海道大学文学研究科修了後、「7丁目のパウダールーム」の店長に。LGBTパレードを主催する「 さっぽろレインボープライド」の実行委員を兼任。 2021年7月よりWEBマガジン「Sitakke」にて読者参加型のお悩み相談コラム【てる子のお悩み相談ルーム】を連載中。お悩みは随時募集しています。
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