2023.10.07

深める

思い出す、第一子のこと。「こころが男性どうし」のふうふの“忘れない”日々

翌日、きみちゃんはちかさんが立ち会う中で、羅希ちゃんを死産しました。羅希ちゃんの産声は、誰も聞くことができませんでした。

きみちゃんが送ってくれた、ちかさんと羅希ちゃんの写真

出産してすぐ、きみちゃんは、ちかさんとわたしとのグループメッセージで、羅希ちゃんを抱っこする2人の写真を8枚共有してくれました。白い産着を身につけ、ピンクの毛布に包まれた羅希ちゃんは、どの写真でも同じ顔をしていたけれど、すやすやと寝息が聞こえてきそうな安らかな表情でした。

担当の医師によると、「原因は不明」だといいます。「死産は1パーセントほどの確率で起こり、決して珍しいことではない」「原因がわからないことも多い」と話していました。

羅希ちゃんと過ごす、親子3人の6日間

2人の心情を察して、わたしは連絡を控えていました。しかし2日後、ちかさんが連絡をくれました。「こんにちは。もし嫌ではなかったら羅希の顔を見に家に来ますか」

思いがけないメッセージに、胸が詰まりました。悲しみの中でわたしに連絡をくれたこと、大切な2人の赤ちゃんに会わせてくれること。本当に頭が下がる思いでした。

12月31日、大みそか。JRに乗って2人の家に行きました。玄関のベルを鳴らすと、2人は思いのほか優しい笑顔で迎え入れてくれました。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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