2023.09.30

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【北海道・蘭越町】秋の地元野菜に、魚も新鮮!毎年満室だった温泉宿に、ことしは空きが出た理由とは

自慢の米が収穫時期に 風評被害は「気にならないくらい、いい出来」

9月頭、蘭越町は米の収穫期を迎えていました。

20ヘクタールの田んぼで「らんこし米」を作る、脇山良明さんの田んぼでは、大手の農業機械メーカーが最新鋭のコンバインを試運転していました。

このコンバインは、刈り取りとともにセンサーで米のうま味を測定し、数値化できます。

水田単位で味の傾向が把握でき、「らんこし米」のさらなる品質向上、差別化に役立つといいます。

脇山さん自身も蒸気の噴出には「心苦しい思いをもっていた」といいます。

でも、丹精込めて作ったコメを前に、「いざ収穫を迎えてしまえば、それも忘れてしまうぐらい今年のコメの出来も良さそうだ」と胸を張りました。

また、農業機械メーカーの担当者も「『らんこし米』が大好き」と話し、「悪い噂は本当にすぐに広がる時代だけど、貢献できることがあればサポートしたい」と話しました。

温泉宿はキャンセル相次ぐ…泉質に影響なし、「繰り返しのアピール必要」

蘭越町には、7つの源泉があります。

影響は温泉街にも出ていました。

蘭越町の蒸気噴出現場のすぐそばには、大湯沼を源泉とする湯本温泉があります。

そこの温泉宿、紅葉音(あかはね)は、大湯沼から引き込んだ源泉100%の硫黄泉と、ゆったりとした部屋、近くの海でとれた新鮮な魚介を盛り込んだ豪華な料理が売りです。

突然起きた蒸気噴出は、客足にも影響を及ぼしました。

ここ数年、8月・9月は毎日満室状態だったのに、蒸気噴出を受けてキャンセルが出て空きが…。

客の数は6割ほどまで落ち込んでいるのだといいます。

泉質などに影響はないものの、蒸気噴出のイメージが先行して敬遠する宿泊者が相次いだとみられています。

紅葉音の女将、新岡香代子さんは「秋には、地元の野菜を使ったりお魚も新鮮なのでぜひ来ていただきたい」とアピールしていました。

三井石油開発は、健康被害や風評被害に対して個別にヒアリングして補償する方針で、宿泊業については、10月にも補償の申請を受け付ける予定です。

蘭越町の金秀行町長は「水質を含めて安全だということをしっかり発信して、蘭越を応援してくれたらありがたい」と話していました。

農業と温泉のマチを突然襲った蒸気。

噴出が収まっても、風評被害に対してはマチ全体で立ち向かわなければなりません。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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