2023.09.29
みがく札幌で芸妓をしております、「こと代」と申します。
「芸妓」といえば、京都のイメージが強いと思います。しかし北海道にも開拓期から道内各地に花柳界がございました。現在は札幌のみになってしまいましたが、「さっぽろ名妓連」には12名の芸者衆が所属し、毎日お稽古、お座敷などで活動しております。
連載「さっぽろ芸妓日記」では、札幌の花柳界の歴史や文化などをご紹介していきたいと思います。お付き合いのほど、どうぞ宜しくお願いいたします!
こちらのお写真、向かって左側の小梅ちゃんが「女役」、右側のこと代が「男役(立役)」になります。
男役と聞くと宝塚をイメージする方も多いと思いますが、まさにそうです。
私たちは演目の中で女役と男役を踊り分けます。これを「組踊り(くみおどり)」といい、内容は男女の恋模様を描いたものが多いです。
踊り方も、お役によって違いはありますが、みなさんが想像される芸妓さんのしなやかで優雅な踊り方とは違い、男役は足さばきや腕の使い方なども大胆です。
踊り方以外で簡単に見分けるコツとしては、“装い”の違いがあります。
男役の時は「前割れ」の日本髪かつらを着用します。簪もシンプルに一本挿すのみ。お衣装も裾は引かず、帯の締め方も「後見結び」になります。
全体的に女役の時よりもすっきりして見えるかもしれませんね。私は身長が高いので、最近は男役を任せていただくことも多くなりました。
もちろん女役の時もありますので、上手に踊り分けることが今の私の課題です。いつもヒーヒー言いながらお師匠さん方にお稽古をつけていただいております。(笑)
(前割れの日本髪に後見結び。襟も女役のときほどは抜きません。)
もし今後、私たちの踊りを見る機会がございましたらぜひその違いにも注目して楽しんでくださいね!
~札幌芸妓の”こころ”を英語でひとこと~
During the performance, we often dance the male and female roles. The person who has male role have a different Japanese hair wig and the different types of obi. I'm quite tall, so I often play male roles. Please enjoy while paying attention to the differences!
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連載「[さっぽろ芸妓日記]」(https://sitakke.jp/tag/431/)
文:さっぽろ名妓連 こと代
編集:ナベ子(Sitakke編集部)