2023.09.29
深めるあたし、働くようになるまでそうだったんだけれど、誰かと仲良くなったとしても「クラスが違う」「学校が違う」「住む街が違う」ってなっちゃうと、だんだん物理的な距離どころか、こころの距離もあいていってしまって。
かつて学生時代大親友だったひととも、なかなかどう言葉を交わしていいかすらわからなくなることがこれまでもあって、もっとどうにかならなかったのかなって後悔していたりするの(正直そこに、自分がゲイだって打ち明けられない戸惑いも関わっていたり、かつてはしたんだけれどね)。
大人になってからは、たとえ同じ職場にいたとしてもそこで向き合っている現実にはたくさんの違いがあるし、生きてる状況もさまざまに異なるんだって、店のカウンター越しにいろんな人と出会う経験をさせてもらって気づいたというか。
だからこそ、互いの「差」を前提としながら、一緒にいてそれぞれの支えになろうと思い合える関係性を、ひとつひとつできる限り大事にしたいなと思っている……んだけれど、そううまくいかない時もあるのよね。
そんな人間関係の、必ずしもいつもかみ合ってくれるわけじゃない歯がゆさみたいなものを日々感じているからこそ、なおさらおたんこナスビさんの「これまでずっと一緒に、こころを通わせてこられたのに」という戸惑いというか、相手の態度の変化をどう受け止めたらいいのかって迷いには、大いに共感するところがあって。
しかも相手に見下されているくさい……?となれば、そりゃあモヤモヤもするだろうとも思うのよ。ご愁傷さまだよ。
おたんこナスビさん自身の気持ちというか、メンタルもしっかり守りながら、相手とのこれからが続くのかどうかも考えるとなると、とっても難しいだろうなぁと感じつつ。
同じように他者との付き合い方を日々模索しているからなのか、あたしも自然とその置かれた状況に対してあれやこれやと思いをめぐらせ、「どうしたらいいんだろうなぁ」と思わず空を見つめてたりしてしまっていたのでした。
さて、おたんこナスビさん。
これを相手の「変化だと受け取って上手く距離を取って付き合うのが良いのか、それとも、このモヤモヤを話してみた方が良いのか」……そりゃぁ「大切な友人だからこそ、悩む」もんよね。
この後のあたしの話は、この2択について「こっちにすべき!」という光を当てられるものではないかもしれないけれど。
少しでも何か、あなたの心にあたたかみを届けられればという気持ちで、キーボードに指を走らせてみたいと思います。
……唐突ですが、おたんこナスビさんは 『雪の女王』ってお話をご存じかしら。
アンデルセン童話のなかでも、突出してアニメ化の頻度が高いこの作品。
内容に難解な部分も多いのですが、国境を超え、昔からたくさんの人に愛されている冒険譚です。
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カイとゲルダはとっても仲良し。綺麗な薔薇の咲く庭で、いつも一緒に遊んでいました。ところがある日、カイの目と心臓に、悪魔の作った鏡の破片が紛れ込んでしまい、そこからカイの性格は一変。庭の薔薇をめちゃくちゃにし、それまでと真逆の行動を取るように。心配するゲルダをよそに、カイはゲルダとも距離を置くようになります。そんなタイミングで雪の女王が、カイを自分の国へとさらっていってしまい……。ゲルダは、カイを探す旅に出ることを決意するのでした。
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あたし、大切な友人と喧嘩してしまったり、距離をおかざるをえなくなってしまったときに、この物語を定期的に読み返しているんだけれど……。
それはね、この話の主人公のひとりであるゲルダの姿勢に、友への深い愛を感じるからなんです。
ゲルダは、カイの言動がおかしくなってしまっても、カイを罵ったりすることはありません。
カイを探す道中でも、カイの事を常に考え、楽しかったふたりの日々を、思い出として大切にしています(そして、その思い出に助けられています)。
ようやく雪の女王の城にたどり着き、氷漬けになったカイを見つけたときには、涙でその氷を溶かし、かつて彼とともに歌った唄でカイを勇気づける……ゲルダは「変わってしまった相手であれ、ふたりの友情を信じる」ことを、まさに実践しているのです。
あたしね、このゲルダの行動にすごく励まされるというか、学ばされるというか……。
親友がどこか自分と波長が合わなくなってしまったとしても、そのズレや変化に囚われてしまう前に、相手とのこれまでを思い返すことって本当に重要だよなぁと、この『雪の女王』を読むたびに、そう感じさせられているのよ。
そして、おたんこナスビさんにはぜひ、その「思い出」の力強さを、具体的な行動を通じて、あたしと同じく感じてみてほしいのね。
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