2023.08.15

暮らす

【専門家に聞いた】溺れている人を見つけたら、叫ぶべき言葉とは?3つのポイントで「水の事故」防ぐ

子どもの夏休みが始まり、各地で猛暑日を記録するなど、暑さも”本番”。

そんな中、注意しなければいけないのが「水の事故」です。

福岡県では7月21日、夏休みに入ったばかりの小学6年生3人が川遊びをしている時に溺れ、命を落とす事故が発生しました。

楽しいはずの夏休みに、悲しい事故が起きるのを防ぐためには、どんな注意が必要なのでしょうか?

連載「じぶんごとニュース

事故の一番の原因は

8月1日の北海道・小樽市は青空が広がり、最高気温28.4度の夏日に!

ドリームビーチは家族連れでにぎわっていました。

子どもたちが「楽しい」「気持ちいい」と海を満喫する一方、保護者は「溺れない対策で、浮き輪をしたり、ゴーグルをしたり。ずっと様子を見ているとか、近くにいるとかは必要かな」と注意を払っていました。

子どもも遊泳範囲を守り、保護者の目の届く範囲で遊んでいるようです。

ただ、水難事故の専門家、水難学会理事の斎藤秀俊さんは、「一見、安全そうな場所でも、危険が潜んでいる」と話します。

水難学会理事 斎藤秀俊さん

一番の原因は、「海水浴も、川遊びも、プールも、水の深さを確認していないこと」だといいます。

「子どもと一緒に海とか川に入ってないというのは、やっぱり事故原因。川でも海でも、ひざ下の水深のところで親子そろって遊んでる分には、ほぼ、大きな事故に発展することない」のだそうです。

福岡で起きた事故でも、はじめは川の浅い場所にいた小学生が、遊んでいるうちに深みにはまり、流されてしまったとみられています。

また、特に子どもの場合、海や川に到着するとすぐに、水の深さをよく確かめずに水に入り、事故につながるケースが多いと言います。

実際にこの日のインタビューでも、「初めて海に行ったときに、イェーイ!って海に入ったら、ズドンって深くなってビックリしました」と話してくれた子どもも。

水難学会理事の斎藤秀俊さんは「深いところが急に来るのが、川とか海の特徴」としたうえで、こんな指摘も。

浅瀬だと思っていても急に深くなることも

「川や海というのは川遊び・海遊び、水遊びをするところで、泳ぎたいのであれば、プールに行って、監視員がいて、ちゃんと安全な状態で泳げるというようなところで泳いでほしい」

溺れたら、余計なことは考えずに…

では、海や川で遊んでいる時に、遠くに流されたり、深みにはまったりしたら、どうすればいいのか?

札幌市の小学校が夏休みに入った8月前半、プールで行われたのが、「着衣水泳」の訓練です。

コーチの「力抜いて!力を入れちゃうと沈んじゃうから、溺れたときは力を入れない」という声が響きます。

小学1年から6年までの児童が参加した訓練では、服を着た状態で水に入り、動きづらさや濡れた服の重さを体験。

さらに、体の力を抜いて、水に浮く練習をしました。

身近にあるペットボトルも万が一の時に役立ちます。

コーチは「ペットボトルは手にもったり、服の中に入れたりするだけでも体が浮く」と説明していました。

下を向いていると呼吸がしづらいので、ひっくり返って上を見ることも大切だといいます。

その状態で足を開くと、靴をはいていたら、しっかりと浮くことができます。

この訓練のように、流されたり、溺れたりした時は、「まずは浮くこと」が大切です。

水難学会理事の斎藤秀俊さんは「浮いてる間は呼吸しているから死なない。それに全力を尽くす。余計なことは考えないことが大事」と話します。

その上で、溺れている人を見かけた場合の対処法についても「まず最初に 『浮いて待て!』と大きい声で叫ぶ。その声が届けば溺れていることに気がついてくれたんだな、とわかる。次にすぐに119番に電話をかける、救助を呼ぶ」と教えてくれました。

溺れた人を見つけたら?3つのポイント

最後に改めて、実際に溺れた人を見つけた時の心構えです。

①大声で「浮いて待て!」と叫んでください。(溺れている人は「浮くこと」に専念し、体力を温存しましょう)

②自分で助けに行かずに、救助を呼ぶ。助けに行って溺れるケースが多いそうです。

③空のペットボトルなど“浮く物”を溺れている人の近くに投げる。

文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2023年8月1日)の情報に基づきます。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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