2023.08.02
出かける引き継いだのは、コロナ禍で落ち込んだ老舗温泉。
客を呼び込むために、3人の娘達が立ち上がりました。
HBC「今日ドキッ!」の、あたたかい家族の姿を描くコーナー「ファミリーストーリー・家族のキズナ」。
5人家族で歩むハートフルなストーリーです。
36年間、休まずにお客さんを迎え入れる温泉が、白老町・虎杖浜にあります。
住所:白老町虎杖浜40-2
国道36号線沿いにある、24時間営業“花の湯温泉”。
創業36年、昔の雰囲気をそのまま残したタイル張りの浴室。
源泉かけ流し、とろりと柔らかな美肌の湯が人気です。
現在お店を切り盛りしているのは、高橋直保さん、そして妻いづみさんと従業員。
1987年にいづみさんのご両親が開湯した花の湯温泉を、去年、高橋夫婦が引き継ぎました。
「歴史があると感じていた。義理の両親が誇りを持って経営していたのも知っていて、昔からのお客さんもたくさんいる」と直保さん。
「妻と2人で協力して頑張ります」と、義理の両親に伝えました。
「2人だからできると思ったのが一番大きい」と言います。
歴史ある湯守を家族で受け継いだ花の湯。
そして、同じタイミングで温泉の隣にできたのが、一際カラフルな建物。
中にいたのは、高橋家の仲良し3人娘です。
3姉妹が同じ敷地内で始めたのがジェラート店。
その名も『ゆジェラート』です。
住所:白老町虎杖浜40-2
営業時間:午前10時~午後5時
定休日:火曜・第2/4水曜
12種類ほどあるフレーバーは、全てお店で手作り。
地元食材にこだわり、ベースには隣町の“のぼりべつ牛乳”を使用しています。
自家栽培で採れた野菜や地元の人達からもらった食材などで作る野菜ジェラートがお店のウリ。
この日は“スナップエンドウ”。
粒感のあるスナップエンドウの甘さと風味。
そして人気フレーバー道産昆布塩「なまら塩」を使った、塩味のある甘じょっぱいジェラートです。
三姉妹の人柄と絶品ジェラートは地元に限らず、多くの旅人たちをもトリコに。
そんな三姉妹にはこのお店にある想いがありました…
コロナ禍の真っただ中で両親が引き継いだ花の湯温泉。
温泉を活気づけるため、なにより両親を応援するため始めたのが「ゆジェラート」でした。
家族一丸となって働くことに対して、いづみさんは…
「楽しい。新しい風を入れてくれているので助かっている」と言います。
取材の日、花の湯温泉には珍しいお客さんが…
父、直保さんは定年退職するまでの37年間、陸上自衛隊駐屯地で勤務していました。
その当時の上司、河口さんが偶然「花の湯温泉」に訪れてきたのです。
自衛官から湯守へ。
環境が大きく変わる中、大変だったのは24時間営業ということ。
午後11時30分。
妻のいづみさんは就寝し、ここからは父の直保さんが店番をします。
この時間にも隣町からお客さんが。
朝方にかけて大浴場を2つ、家族風呂を5つ清掃します。
工事現場の方やトラックドライバー、そして近隣の飲食店で働く方など深夜に訪れる人は様々。
日中に比べると客足は決して多くはありませんが、「温かいお風呂で癒してほしい」という思いで、24時間、営業を続けます。
午前6時。 ようやくお父さんは一休み。
ここからまた、花の湯の一日が始まります。
お父さんお母さんにとって一番の楽しみが…
毎月行われる家族会!
この日ばかりはお店は従業員に任せ、娘家族も合わせて10人が大集合です。
「いちばん大切であり幸せ」といづみさん。
「かけがえのないもの」と直保さんは言います。
家族で紡ぐ何気ない日々…花の湯温泉に、ゆジェラート。
高橋家のストーリーは、まだ始まったばかりです。
※掲載の内容は番組放送時(2023年7月3日)の情報に基づきます。
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