2023.05.03
出かける第2子が誕生し、4歳と0歳の2児の息子の父となったHBCアナウンサー・渕上紘行が、北海道内の公園や遊び場を巡る連載「公園ブラボー!」。子育て世代におすすめの遊び場情報を、自称“公園ハンター”がご紹介します。
子育て真っ最中の私が出会う、思わず「ブラボー!」と叫びたくなる、公園や遊び場をひとつでも多くご紹介していきたいと思っています。まさに公園を“ハント”していく気分でお読みくださいね!
札幌市西区八軒にある「農試公園」。12ヘクタールという広大な運動公園は、40年以上にわたって市民に親しまれてきました。現在5年かけて施設の改修工事が進められています。そんななか、2023年4月に大注目の遊戯広場がリニューアルオープンしました!!
遊戯広場の名前は「みんなのガリバーひろば」。小説「ガリバー旅行記」をテーマに「大航海のエリア」「こびとの国エリア」「ジャングルターザンロープ」「ピクニック広場」の4エリアに分けられています。
「ピクニック広場」にある、こびとに捕らえられた大きなガリバーが寝そべるコンクリート遊具。足元が凹凸なガリバーによじ登ったりすべり降りたりと、子どもたちの自由な発想で遊ぶことができます。
こちらの“かみなりタワー”は「大航海のエリア」にある、大型コンビネーション遊具。チューブ型スライダーの高さは3.6m。スリルを味わいながら楽しむことができます。他にもクライミングウォールのようにしがみついて遊んだり、ロープを渡ったりして楽しむ遊具や、飛び石のようなステップも設置されています。このような比較的難易度の高い遊具は、6歳から12歳の子どもを中心に楽しめそうです。
「こびとの国エリア」にある巨大な“バッタ”を模した遊具や、“双眼鏡”や“羅針盤”の上に乗ってバランス感覚を養う遊具は、「こびとの国」に迷い込んだガリバーの世界観を感じながら遊ぶことができます。
今回のリニューアルのテーマは“インクルーシブ”。
“インクルーシブ”とは“すべてを包み込む”という意味。つまり“インクルーシブ遊具”とは「性別・年齢・言語・能力に限らず、分け隔てなく誰もが楽しめる遊具」のことなのです。今回のリニューアルでは、子どもの年齢やハンディキャップを気にせず、“インクルーシブ遊具”を通じてみんなが一緒に楽しめることを目指しています。
「みんなのガリバーひろば」では、14基の遊具のうち7基のインクルーシブ遊具が設置されています。細部に目をやると、思わず「ブラボー!」と叫びたくなる、時代の先端を走る公園のこだわりが詰まっていました!
「みんなのガリバーひろば」でひときわ存在感を示す大型複合遊具がこちら!3歳から6歳の子どもが中心に遊べる遊具です。“おおなみ”をイメージした扇子のように広がる斜面は、大勢で一気にすべり降りたり登ったり自由に楽しめます。斜面のコブに合わせてバランスを取りながら遊べば、体幹の強化にもつながります。
スロープは幅が広くなっていて、車いすやベビーカーを直接乗り入れて遊ぶことができる設計になっています。介助者を伴っていてもスロープで滞留する心配がありません。また、スロープの端には脱輪防止措置が施されていて、手すりも備え付けられています。
車いすから遊具デッキへの乗り移りもしやすく、段差も緩やかに作られています。
ハンディキャップがある子どもや高いところが苦手な子どものために考え尽くされたインクルーシブ遊具です。
“おおなみ”の下に潜り込めば、光が透過して斜面で遊ぶ子どもたちのシルエットが眺められます。まるで水族館にいるような気分に。ホッと一息ついて休憩できるスポットがあるのもブラボーですね!
貝殻を開いたようなこちらの遊具は、「オムニスピナー」と呼ばれる回転遊具です。遊園地に昔からある“コーヒーカップ”の進化系!?寝そべることもできます。一緒に向き合ってスリルを共有すれば、年齢や言語が違っても仲良くなれそう!
車いすから乗り移りやすい高さで、背もたれ部分に体を預ければ、姿勢を保ちづらい子どもも楽しむことができます。また、子どもの力で簡単に回すことができるので、大人が乗って親子で楽しむこともできちゃいます。
「性別・年齢・言語・能力に関わらず、まさにみんなが一緒に楽しめちゃう」
インクルーシブ遊具の真骨頂はここにあり!ブラボーなこだわりです。
“テーブル型砂場遊具”は高低2段の高さで作られているので、車いすに座ったまま遊ぶことができます。また、立ったまま砂遊びもできるので、障がいがあるなしに関わらず楽しむことができます。
また、ブランコには、ジェットコースターの安全バーのような頑丈なサポートが。一人で身体を支え切れない子どもも安心して乗ることができますね。
公園地面の主要部分には“ゴムチップ舗装”が施されています。私は、ここまで地面が舗装されている屋外遊戯広場を初めて見ました!
しかも、すべり台など高さがある遊具の周りは、ゴムの厚みが増してクッション性を高めています。予想できる危険にはすべて対処する。安全管理に細部にまでこだわり抜くインクルーシブ公園の姿勢に“脱帽”ならぬブラボー!!です。
また利用者の要望で設置されたという看板には、遊具の利用ポイントや注意書きが記されています。正しい遊具の遊び方や設置した意図がわかることで、より遊具に親しみを持って遊ぶことができますよね。詳細な案内板を眺めていると、公園設計者が抱く、利用者への“愛”を感じずにはいられませんでした(笑)
今回、新しくなった農試公園を訪れて感じたのは、とにかく利用する子どもたち一人一人の顔を思い描きながら作られた公園だということ。能力も年齢もさまざまな子どもたちが同じ施設で遊ぶためには、あらゆることを想定しなければいけません。
インクルーシブ遊具を制作した創業107年の老舗遊具メーカー・株式会社コトブキさんによると「遊びは違いを飛び越える」そうです。
「一緒に遊ぶことで、さまざまな違いを気にせず手を取り合って乗り越えられる。」公園遊具を通して、そんな社会の実現をお手伝いしたいとのことでした。
インクルーシブ公園は、これから目指すべき社会の理想郷と言っても過言ではないかもしれません。「あらゆる子どもの遊びたい!」を叶える遊び場・農試公園、ブラボーです!!
こどもあそび度 ★★★★★
パパママ充実度 ★★★★★
おすすめ年齢 0歳~小学生
<ブラボーポイント!>
・小説「ガリバー旅行記」をテーマにリニューアルした無料テーマパーク
・道内最大・国内最大級インクルーシブ公園
・性別・年齢・能力・言語の違いに関係なく誰もが遊べることを目指した最先端公園
・水遊びができる「ちゃぷちゃぷ広場」も6月オープン予定
・正規・臨時駐車場がありますが、週末やGWなど混雑の可能性があるので注意が必要
農試公園
〒063-0845
札幌市西区八軒5条西6丁目95-21
農試公園管理事務所
※掲載の内容は取材時(2023年4月)の情報に基づきます。
***
文|HBCアナウンサー 渕上紘行(ふちかみひろゆき)
テレビ「ブラボーファイターズ」「今日ドキッ!」やラジオ「ガンちゃんの世界一面白いプロ野球の番組」「鶴岡慎也の焚き火トーーク」など北海道日本ハムファイターズに関する番組を中心に、野球・サッカー・スキージャンプ・バスケ・高校ラグビー・ゴルフとHBCのスポーツ中継全般に携わる。入社20年目、神戸市出身。 Instagramも更新中!
▼自称“公園ハンター”が子どもたちも”大喜び”の公園情報をご紹介!
■ 子どもが大興奮で駆け上がる!道の駅にオープンした、今注目のあそびスポット【渕上パパが行く、公園ブラボー!#7】
■ 「これも無料なの!?」全長150mを超えるジャンボすべり台に大興奮!日本海も見えますよ【渕上パパが行く、公園ブラボー!#6】
記事一覧:【子育てをさらに楽しみたい】