2023.03.16
暮らす木に抱き着くクマ。
手を伸ばしたり、枝をかじったり、のんびりくつろいでいるように見えます。
目の前に、ハンターがいるのに…。
なぜクマはやってきたのか?なぜその場を離れようとしないのか?
クマが動き出す季節。対策を考えます。
連載「クマさん、ここまでよ」
3月12日・日曜日。午前7時すぎ、札幌市南区白川の果樹園の近くで、「クマを見かけた」と車で通りかかった人から警察に通報がありました。
札幌市によりますと、警察と南区役所の職員が駆けつけたとき、まだクマがいました。その後、市の職員やハンターも出動します。
たくさんの人に見られながらも、離れようとしないクマ。
一度山のほうへ向かったと思っても、また戻ってきて、午前10時半ごろまでその場にとどまっていました。
クマが山へ戻ってしばらくして、クマがいた場所を調べたところ、シカの死がいが埋まっているのが見つかりました。
シカの死がいはまだ新しいものでしたが、動物に食べられたような痕があったといいます。札幌市は、「クマはシカの死がいに執着していたのではないか」と話します。
札幌市はシカの死がいを撤去し、監視用のカメラと注意看板を設置して、その場を離れました。
すると、午後4時ごろにも、カメラにクマが映っていました。
さらに、午後6時ごろにも…。地面に顔をうずめているような様子が映っています。
翌日以降、しばらくはカメラでクマの姿は確認されていませんでしたが、4月7日午後8時半ごろ、再び姿が映っていました。
DNAが採取されていないので特定はできませんが、体長1メートルほどと、3月12日に目撃されたクマと同じくらいの大きさです。
翌8日の調査では、シカなどのクマを引き寄せる原因になるものは確認されず、クマの痕跡も見つからなかったということです、
クマは体長1メートルほどで、若い個体と見られています。
近くの果樹園などでは被害は確認されていません。
今回見つかったシカには、車にひかれたような跡はなかったということですが、札幌市は、交通事故などにあって弱ったシカが道路近くで死ぬと、クマを引き寄せるおそれがあるとして、シカと事故を起こしたときや、シカの死がいを見つけたときは、警察などに連絡してほしいと話していました。
もう、クマが動き出す季節が始まっています。
クマを引き寄せるゴミなどの管理は、よりいっそう気を引き締め、「出会わないためにどうしたらいいか?」「もし出会ったら?」と基本の注意点を確認しておきましょう。
Sitakkeでも引き続き、暮らしの注意点や、道内各地からの学びをお伝えします。
連載「クマさん、ここまでよ」
※掲載の内容は取材時(2023年3月16日)の情報に基づきます。
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連載[「クマさん、ここまでよ」] (https://sitakke.jp/tag/285/?ref=sn)