「お前も、後悔のない人生を送ってね」病床の父からの一言をきっかけに #読者投稿

誰かにかけられた「一言」がきっかけで、心がふっと軽くなった経験はありませんか？

読者のみなさんから寄せられた 「人生の“きっかけ”の一言」エピソードの中から、毎月選りすぐりのものを、ご紹介します。
2月募集分の大賞は、ペンネーム・うさぎさん（40～44歳）からの投稿です。

＜2月募集分・大賞エピソード＞「後悔のない人生を送ってね」

きっかけになった一言は、父からの言葉でした。
私には、学生の頃から、海外留学をしてみたいという漠然とした憧れがずっとありましたが、留学費用のこともあり、なかなか一歩を踏み出せずにいました。

社会人になり、費用面はどうにか工面できそうでしたが、仕事を辞めてまで留学をすることへの不安や、海外という未知の場所や、人・言葉その他、不安なことを考えて消極的になっていました。

そんな私を変えたきっかけは、当時、病気で長期入院中だった父からの言葉でした。
社会人生活4年目のときのことです。入院中の父親に、留学への憧れを明かしたところ、こんな言葉をかけられました。

「やってみたい事があるというのは、とっても幸せなことだ。すぐにチャレンジしたら良いよ。今の父さんのように、病気になってしまったら、やりたいことがあってもなかなか挑戦しにくくなるからね。でも、父さんは、今までやりたいことをたくさんチャレンジしてきたから、後悔はないよ。お前も、後悔のない人生を送ってね」

その一言に、勇気をもらい、翌年、アメリカに２年間の留学をしました。
留学先では、自分が想像していた以上に、様々な人や言葉などとの出会いがあり、人生の宝物となりました。
それらはすべて、あの日の父親の言葉がもたらしてくれたものだな、と４０代になった今でも感謝の気持ちでいっぱいです。

＊＊＊

編集：ナベ子 (Sitakke編集部)
イラスト：ヤマモトクミコ