2023.03.01

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マチの名店を、どう残す?後継者を探す「マッチングサイト」で元気なうちにチャンス探す

あなたの行きつけの店も、悩んでいませんか?

後継者の不在で、廃業の危機に立つマチの店が続出しています。
個性ある店を、どう残していくのか?

手助けする「マッチングサイト」もありました。

連載「じぶんごとニュース」

衣装も店も、技術も引き継いで

北見で、美容室と貸衣装店の「啓衣裳店」を経営する木賊和子(とくさ・かずこ)さん・82歳。

創業45年。
ウェディングドレスのほか、京都などで仕入れた着物・振り袖など、100点以上の衣装を取り揃えます。

かつては、市内のホテルでも、着付けを請け負っていましたが、コロナ禍でブライダルなどは激減し、去年撤退したといいます。

「昔みたく、ホテルからお仕事をいただくのをじっと待っている時代ではないのかな。コロナの3年間で感じた」

啓衣裳店ホームページ

木賊さんは、苦手なホームページの作成やSNSにも挑戦。
2年前からは、北見の建物や自然を背景に、貸衣装でインスタグラム用の写真を撮影できるサービスも始めました。

撮影:啓衣裳店

しかし、木賊さんは、「今のネットの社会は、SNSとか私のついていけないものがどんどんあるような気がして、それで誰か店をやってくれる人いないかなって」と考え出したといいます。

東京で研究者をする60歳の息子に、事業を譲る相談もしましたが、引き継ぐことはできないと、断られたといいます。

リレイホームページ

去年11月、市役所の担当者から後継者を探せるマッチングサイト「リレイ」を紹介され、登録しました。

木賊さんは、「私が考えていない、もっと素晴らしい今どきの考えを持っている人が現れて、それをプラスしながら、でも着付けやメイクの技術だけはうちだけしかできないと思っているので、技術も一緒に引き継いでほしい」と話します。

美幌町の有名店も登録

登録したマッチングサイト「relay(リレイ)」は、宮崎県にある会社「ライトライト」が運営しています。

ライトライトの齋藤隆太代表は、「地域の事業者問題を、ポジティブにクリアしていくことができると地域にとってより活力ある状況を生み出すことができるのではと思った」と話します。

地域のほか、事業の形態などからも選ぶことができる、このサイト。
北海道では2月14日現在で、公衆浴場、そば店など14の登録があります。

美幌町を発祥に、28年続くインド料理の「クリシュナ」もありました。

「クリシュナ」といえば、「オホーツク夕陽のカレー」や青色のルーが斬新な「オホーツク流氷カレー」。

オーナーで、82歳になる市野純夫さんとトシ子さん夫婦は本店以外の札幌店、北見店、キッチンカーをまとめて引き継いでくれる人を探しています。

後継者が見つかった店も

このサイトで、実際に、後継者が見つかった店に、話を聞きました。

リレイが制作した募集VTR

宮崎市で60年近く大衆食堂「ライオン」を営んでいた、中西幸一郎さん79歳。

「リレイ」に登録し、「健康で若くてファイトある人、ファイトね。やろうという気がある人」を募集しました。

去年3月から後継者を探し始め、半年後には、地元で愛された店とメニューを引き継ぎたいと後継者が現れ、去年10月、「ライオン」は2代目オーナーへと引き継がれました。

ライオンを事業承継した、秋丸浩司さん51歳は、「小学校からこの地域に住んでいますので、ライオンがあるのをずっと知っていて、ぜひやらせてと」手を挙げたといいます。

秋丸さんは、「努力して、僕が2代目ですが、3代目につなげられるように、ライオンを守っていきたい」と話していました。

道内でも、マッチング成功例がいくつかあります。
去年、紋別では農機具などの運送業、西興部では定食店・居酒屋、ことし雄武町では貝殻容器製造販売の会社で後継者が見つかりました。

マチから個性ある店を失わせる、後継者不在の問題。

解決策の1つは、元気なうちから「後継ぎが欲しい」と情報を出し、幅広い出会いのチャンスをつかむことだといいます。

連載「じぶんごとニュース」

文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部IKU

※掲載の内容は放送時(2023年2月14日)の情報に基づきます。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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