食料品の相次ぐ値上げ…燃料代も高止まり…
電気料金は30%以上の値上げが発表されました。
家計に厳しい今こそ知ってほしいのが、建築家の暮らしの提案です。
建築家の建てる家には、物価高対策のヒントがぎっしりと詰まっていました。
森に接した住宅街に完成した、4人家族が住む家。
玄関がある1階は、バス・トイレと収納スペース。
らせん階段の途中にあるロフト部分に、寝室と大型収納を設けています。
2階は、大きな窓があるリビングダイニングキッチンです。
開放的なこの家の、延べ床面積は、21坪。
高木貴間建築設計事務所の高木貴間(たかぎ・よしちか)さんは、「一般的に言うと狭小住宅の部類に入る」と話します。
1階に設置したFFファンヒーターの灯油代は、月、わずか2万円に抑えました。
高木さんは、「床下を温かい空気がめぐって、上に上昇していく。熱は上に上がるので」と話します。
2階の窓で冷やされた空気は、窓の下の穴から1階に下がり、温められ再び上昇。
コンパクトで間仕切りがないことが、自然に空気が流れ、効率のいい暖房を可能にしました。
高木さんが考える暖房費を抑える最大のポイントは、「太陽」です。
中古住宅を大規模改修した高木さん夫婦が住む自宅で、太陽の力を体感します。
2階は、風呂や寝室などがある「高気密高断熱の部屋」に…
天井がない「外のリビング」…
そして「3面窓の部屋」に分かれています。
この日の札幌は、最低気温がマイナス10度でした。
朝、暖房を切ってから8時間近く経った「3面窓の部屋」に入ると…
なんと、室温は26度!
高木さんは、「ビニールハウスみたいなもの。太陽の日射によって室内が暖かくなっています。天気が良い日は35度以上になる。真冬で35度です」と話します。
一方、直射日光で高温になる夏は換気が必須ですが、無理に部屋にこもらず、隣の「外のリビング」で過ごし、雨が降ったら、快適な「高気密高断熱の部屋」に移動します。
暖房はパネルヒーターで、都市ガス料金は月およそ3万円です。
高木さんは、「ランニングコストを抑えたいという人は多い。リスクヘッジという意味では、熱源を限定しない。例えば電気とガスを混ぜたり、電気と灯油を混ぜたりが、最近は多い」と話していました。
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太陽の力を活用した、ほかの建築家の家も取材しました。
ホームセンターで、電気料金の値上げをきっかけに売り上げを伸ばしている「電気を使わない暖房設備」と合わせて、お伝えします。
⇒【この家に詰まった、暖房費の節約ヒントとは?電気を使わない知恵…ホームセンターでも】
文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部IKU
※掲載の内容は放送時(2023年2月6日)の情報に基づきます。
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