2023.02.21

みがく

手仕事の温もりを感じる「刺し子」をはじめてみませんか?【第1回:コースターを作る】

刺し子ってなに?刺し子を知らない人は多いかもしれません。でもきっとどこかで一度は目にしたことがあると思います。

刺し子とは、日本に古くからある布を修繕する技法です。かつて綿はたいへん貴重なものでした。ほころんだ布に刺し子をほどこすことで丈夫にし、永く大切に使ってきました。最近では刺し子のデザイン性の高さに注目が集まり、手芸として楽しむ方が増えています。

刺し子には特別な道具は必要ありません。針や糸など100円ショップでもそろえられるものが多いです。針を持つ習慣がない人でも大丈夫。肩肘張らずに始められるのが刺し子です。ふと時間が空いたときに、チクチク自分のリズムで刺すだけで心が和らぐ時間になりますよ。

これから全3回にわたり、十勝の中札内村で刺し子作家をしている筆者が刺し子の魅力と楽しみ方を紹介していきます!

第1回は、DAISOの刺し子布を用いながら、刺し子の基本的な技法をご紹介します。第2回は、いくつあっても嬉しいくるみボタンのヘアゴムを作ります。親子でおそろいにするのも良いですね! 第3回は、北海道にちなんだ作品を作っていきます。どんな作品なのか……ご期待ください!

刺し子に必要な道具

刺し子に必要な道具はシンプルです。ほとんどは100円ショップでそろえることができます。

<針>
100円ショップや手芸店で購入できます。お手元にない場合は手縫い針で代用できます。刺し子針は少し太く、糸を通す穴が大きいのが特徴です。初めてさんは5cmくらいの長さが刺しやすいのでおすすめです。

<布>
晒(さらし、一番左)や、手芸店や100円ショップで売っている図案付きの布から始めると良いでしょう。
晒は手芸店やホームセンターなどでも購入できます。

<糸>
刺し子糸も手芸店や100円ショップなどで購入できます。グラデーションの糸は刺し進めるだけで色がコロコロ変わっていくのでとっても楽しいですよ。

<その他>
ハサミ、定規、マスキングテープ、指ぬき、フリクションペン(下書き用)があると便利です。

DAISOの刺し子布でコースターを作ってみよう

早速、DAISOの刺し子布を使って刺し子の基本的な刺し方をご説明します。

必要な道具

今回は画像左の白いキット「十字花刺し」を使ったコースターを作ります。
針は100円ショップのものや手縫い針でも代用できます。糸もDAISOの刺し子糸(赤・白)を使っていきます。そのほかに糸切はさみ、皿付き指ぬき(なくても可)、仮どめクリップやまち針(マスキングテープでも可)、アイロンを使います。

下準備

画像の模様「十字花刺し」を使用します。生地を点線でカットし、端を点線から内側に折りこみます。

表布と裏布を合わせてクリップやまち針、マスキングテープなどでとめます。

端を閉じます。生地の折り目から針を出し、布を上下に縫っていきます。縫い目が目立ちにくい縫い方です(この字閉じの詳しい説明は記事末尾の動画をご覧ください)。

刺し始め

では刺していきましょう!

糸は玉結びをせずそのままの状態で刺し始めます。

まずは外枠から刺します。2枚一緒に刺していきます。
刺し始めたい場所(右上の角)の3目前から針を入れ刺し始めます。糸端は2、3cm残します。引っ張りすぎて抜けないように注意してくださいね! このままぐるっと1周します。

1周したら、先ほどの刺し始めた3目に重ねるように、針目に糸を通してとめます。この糸のとめ方を「重ね」と呼びます。針を抜くときには必ず「糸こき」をします。糸こきとは布のゆがみを直すために糸をしごいて整える作業です。糸こきをしっかりすることできれいな作品に仕上がりますよ!

次に模様を刺します。外枠からそのまま刺していきます。布と布の間に糸を通します。

このまま横線を刺していきましょう。

裏側です。

1列刺し終わったら段を変えて刺していきます。

段を変えるときだけは、布と布の間に糸を通します。

このように横の列を1方向に刺し進めていきます。

糸の変え方

外枠の重ねと同じように糸をとめます。刺し始めも重ねをしてから刺し始めます。外枠で重ねをすると糸が目立ちにくいですよ。糸端は刺し終わりも2、3cm残しておきます。玉どめはしません。

(外枠で重ねをしてから刺し始めるところ)

1方向刺し終わりました。

次も同じように十字になるように刺していきましょう。チクチク無心になる時間です。

縦方向が終わり、十字になりました。

裏側です。

次に斜めに刺していきます。

斜めも同じように図案に沿って刺していきます。

斜めが完成したところです。最後に反対側の斜めも同じように刺していきます。

完成しました! 糸端はまだそのままです。

裏は違った模様になります。一目刺しという種類は、このように裏側が別の模様になるのも魅力の一つです。

刺し子が終わった後にすること

このままだと糸が重なった部分がほつれたり、抜けてしまったりします。
「重ね」は水通しをして糸を水の中でこんがらがらせて糸をとめるのです。20~30分ほどつけ置き、シワにならないように干しましょう。

乾いたら、優しく押し当てるようにアイロンをかけます。

糸端をカットします。少し引っ張りながら切ると、糸が中に入り込んで目立たなくなります。

完成しました!

DAISOのフォトフレームに入れて飾っても素敵ですね。

今回使用したDAISOの刺し子布は2種類入っています。100円で2枚作れるのも嬉しいですね!
もう1枚の作り方(右側)も動画で説明していますので、ぜひご覧ください!

チクチクするだけでとってもかわいい小物が作れちゃいます。
刺し子は特別な技術や道具は必要ありません。100円ショップで簡単にそろえることができるので、ぜひチクチク楽しんでみてくださいね。

第2回目は、くるみボタンのヘアゴムを作ります。こちらも簡単に作れるので、たくさん作ってお友達にプレゼントしたり、親子でおそろいにしたりできますよ。毎日の暮らしにほんの少しだけ手仕事の温もりを添えてみてはいかがでしょうか。まだまだ寒さが厳しい北海道ですが、暖かな手仕事を楽しんでみてくださいね。

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文:さしこのさなのん(刺し子講師・草木染作家)
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【ライター:さしこのさなのん PROFILE】
十勝中札内村で活動。3児の母。2015年、子育て真っ最中に出会ったのが刺し子。夢中で刺し子をしているうちに糸や布を染めるようになる。手染め糸を中心に販売をはじめ、今はInstagramを中心に刺し子の楽しさを伝えている。"

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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