2023.01.07
深める札幌市内の中学校で、女子トイレに生理用品を設置する取り組みが始まっています。
背景にあるのは、「生理の貧困」の問題です。
連載「じぶんごとニュース」
豊平区にある、札幌市立西岡中学校では、11月末から、校内の女子トイレに無料で使用できる生理用品が設置されました。
設置を働きかけたのは、PTAのメンバーです。
PTA会長の今野純子さんは、「保健室に毎回もらいに行くっていうわけにはなかなかいかなかったりする。今は自分の中で我慢したり、言えないでいることも、何かこれをきっかけに保健室と繋がったり、大人に繋がったり、誰かに言えるきっかけになったらうれしい」と話します。
利用する生徒の声を聞きました。
三浦光莉さんは、「急に来て焦ったときも、すぐそこに置いてあって安心できるので、いいと思います」と話します。
正木南緒さんは、「今までだと急に来てしまって保健室に行かなきゃいけない経験もあるけれど、やっぱりトイレに設置してもらえると、フロアごとにあるので、早く対処できて本当にありがたい」と話していました。
コロナ禍での経済的な負担や、物価高などの影響で、生理用品が買えない「生理の貧困」問題。
PTA会長の今野純子さんが学校へ働きかけるきっかけとなったのは、「生理の貧困」に取り組む団体の活動でした。
函館で活動する「一般社団法人JOY」は、生き方や暮らしに悩む人たちを支援する団体で、全国の支援者から寄付された生理用品を道内の施設や学校で配布しています。
理事の渡辺めぐみさんは「私も高校生のときはバイトでのお金で全部買っていたので、そういう子たちの負担が少しでも減ればいい」と話します。
代表理事の佐々木絵美さんは、「私たちも1法人なので、在庫や財源が無限ではないので、いろんな市とか区とか道とかもそうですけど、自治体で動いてもらえたら一番いいなとは思っている」と話していました。
これまで「JOY」が生理用品を設置した学校は道内で26校。
資金の確保など、生理用品の配布を継続していくには課題もあるといいますが、誰もが安心して学校に通ってほしいという思いは、着々と広まっています。
連載「じぶんごとニュース」
文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部IKU
※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2022年12月16日)の情報に基づきます。
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