2023.01.05

暮らす

なぜ?!ぐにゃりと曲がった電柱…大丈夫?地元民も知らない、その理由とは【旭川】

視聴者からの疑問や悩みを調査するHBC報道部の「もんすけ調査隊」。

今回は番外編、HBC「今日ドキッ!」の40代のスタッフからの依頼です。
「旭川に行った時に、ぐにゃっと電柱が折れ曲がっていました。なぜでしょうか?」

電柱が曲がっている・・・しかも、ぐにゃっと!?

これは、ハンドパワーなのか?
札幌から車でおよそ2時間、旭川中心部の現場に急行した。

これはなんということだ!

そこには、まるで画像加工に失敗したかのような、「ぐにゃり」と曲がった、電柱が立っているではないか!

場所は、旭川市4条通8丁目。
いわゆる3・6街(さんろくがい)と呼ばれる繁華街だ。

通りを調べてみると、なんと!

1本だけでなく、ほとんどの電柱が曲がっているではないか!

何本曲がっているのか、調べてみると・・・

旭川市の2・3仲通(にいさんなかどおり)と3・4仲通(さんよんなかどおり)の6丁目から8丁目にかけて、なんと!18本もの電柱が曲がっていたのだ!

©Google

誰が、なぜ、電柱をこんなに曲げてしまったのか?

街の人も、「なんでなんだろう?曲がっているのも今気づいた。全然わからない」「私も初めて知った。なぜあそこだけ曲がっているんだろう。なんかありそう」という反応。

その時!調査員は重要なことに気がついた!

以前、北海道三大ラーメンの調査でお世話になった醤油ラーメンの名店、旭川らぅめん青葉が近くにあるではないか!

きっと・・・いや必ず・・・何か知っているに違いない!

旭川らぅめん青葉・村山有一三代目の予想は…
「たぶん北海道だから、特に旭川は雪が多いから・・・雪の重みとかの可能性もあるよね。
だって、あんな曲がり方しないでしょ。もしかしたら、ひとつのアートみたいにしたのかなと。あとは考えつかない」

この、ぐんにゃりと曲がった電柱、果たして誰が、なんのためねじ曲げたのか!?

旭川市に聞いてみると・・・
「電柱は北海道電力の所有物なので、そちらにお問い合わせください」とのこと。

そこで、電柱の管理を行っている北海道電力ネットワークに話を聞いた。

北海道電力ネットワークの南波諭副長は、「S型組立鋼管柱という電柱で、1987年に建柱したもの」「強度も、1987年に計算して問題ないということで設置している」と話します。

S型組立鋼管柱(えすがたくみたてこうかんちゅう)。
確かに「S」に見えるような気もする。

でも、どうして曲がっているのか?

南波副長によると、「道路工事に伴った形で水道管や下水管のからみもあって、人家側にやむを得ず建てなければならなかったが、ビルの突き出し看板などがあり、それとの離隔を確保するためにS型の電柱を建てた」という。

発端は、1987年の道路工事。
しかし、道幅が狭く、地下に上下水道の管などが埋まっていたため、
電柱を建て替えるスペースが、建物の近くしかなかった。

さらに、その建物には、多くの看板が設置されていたため、
電線と看板の距離を確保するために、曲がった電柱が設置されたのだ。

さらに南波副長は、「他にも岩見沢の方にもあると聞いている」とも教えてくれた。

実は、岩見沢の繁華街、3条通りなどにも、旭川市と同じ理由から、曲がった電柱10本が建てられている。

岩見沢

一方、京都の花街(はなまち)=先斗町(ぽんとちょう)では、無電柱化事業で、電柱をすべて撤去して「こざっぱり」してはります。

京都・撤去前の写真。京都市内にはまだ残っている電柱もある

では、旭川の電柱は大丈夫どすか?

南波副長によると、「2年に1度の定期巡視で確認していって、建て替えが必要なら、その時に考える形にはなるが、今のところ撤去の予定はない」そう。

35年に渡り旭川を見つめ続けた電柱は、これからも町を見守り続ける。

調査結果
旭川の3・6街(さんろくがい)にある電柱は、建物の看板から距離をとるために曲がっていた!

文:HBC報道部もんすけ調査隊
編集:Sitakke編集部IKU

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2022年12月16日)の情報に基づきます。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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