北海道民でも知る人ぞ知る! 「幻のかまぼこ」があるんです。
その名も「たつかま」。
食べられるのは冬の寒い時期だけ。
さらに、作っているのは道内でたった1軒のお店だけ!!
しかし、遠方からもお客さんが買いに訪れる、クリーミーな絶品かまぼこなんです。
一体どんなかまぼこなのか!?
その魅力に迫りました。
札幌から車でおよそ2時間、積丹半島の西側にある岩内町。
この岩内町にある「尾崎商店」を訪ねました。
鮮魚コーナーで見つけたのが、その「たつかま」!
たつかまはスケトウダラの白子、「たち」で作ったかまぼこのこと。
地域によっては「たち」を「たつ」と呼ぶところもあり、「たつ」の「かまぼこ」で「たつかま」なんです。
お店で買い物をしていた地元の人に「たつかま」について聞いてみると・・・
地元の人にはとても馴染みのある郷土料理のようです。
中にはこんな人も。
20キロほど離れた神恵内村で商店を営む男性。
たつかまを仕入れに訪れたそうで、「めちゃんこ売れるんです!」と絶賛していました。
古くは明治30年代から始まったスケトウダラ漁。
昭和に入ると漁獲量がぐんとあがり、岩内町は全国一のタラの加工地になりました。
タラやたらこが全国に出荷される一方、二束三文だった白子。
「たつかま」は漁師料理として、一般家庭で作られ、地元で愛されてきました。
かつては家庭でも作られてきた「たつかま」。
しかし、岩内でのタラの漁獲量は年々減り、今ではたつかまを作っているのは、町内の鮮魚店「尾崎商店」のみに!
しかも、たつかまが作られるのは、11月から3月の初旬のおよそ4か月間。
漁の期間も短いうえに、気温もぐっと下がり風も強くなっていくこの季節は、時化で漁ができないことも。
良い白子が入ってきた日しかたつかまは作られないため、大量生産ができません。
そのため、幻のかまぼこと言われているんです。
1950年にたつかまを商品化した尾崎商店。
70年たった今も、作り方はほとんど変わっていないといいます。
特別に、工場を見せていただきました。
従業員の方は社長の尾崎修さん含めて6人。
みなさん、この道およそ20年のベテランスタッフなんだとか。
たつかま作りで一番重要な工程はたち選び!
従業員が出勤する数時間前、尾崎社長一人でその日とれたばかりのたちを選別します。
これまで培った経験を頼りに色やハリを見て、たつかま用とパック販売用を見分けているそうなんです。
こうやって見比べても素人目には全然わかりませんよね・・・
でもそこが尾崎社長のこだわり!
日によっては、仕入れたたちの中で半分しかたつかまに使わないこともあるんだとか。
たち選びが終わると、ゆでて水を切り、裏ごしします。
不純物を取り除いて液体状にしたら、機械で練ります。
それから加えたのが、でんぷん。
食感を出すために、ほんの少しだけ入れるんだそう。
そして味付けに加えるのは、塩だけ!
そう、たつかまの材料は、白子、塩、でんぷんのみなんです。
シンプルな素材で、白子の美味しさを堪能することができます。
出来上がったこの塊を、人の手で丸めて釜でゆでます。
ゆであがったものを水に移し、氷でしめたら完成です!
白子、塩、でんぷんだけで作られるかまぼこ「たつかま」。
ふわっとした弾力のある食感と、白子のクリーミーで濃厚な風味がたまりません。
シンプルに白子のおいしさが伝わってきます。
このままスライスしてわさび醤油でお刺身風に食べたり、お鍋に入れたり。
さらに、バター焼きにするのもおすすめです。
ポイントは、たつかま自体に塩味がついているので無塩バターを使うこと。
さらに裏面にさっと胡椒をまぶすことで、おかずにもお酒のおつまみにもいける最高の一品です。
たつかまは、岩内町で購入できるほか、尾崎商店のオンラインショップでも購入できます。
ヤマシメイチ尾崎商店HP
この時期にしか食べられない幻のかまぼこ!
ぜひ皆さんも味わってみてはいかがでしょうか。
※掲載の内容は番組放送時(2022年11月18日)の情報に基づきます。
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