2022.10.20

暮らす

「美容師と会話したくない」不満をもとにスタートした、“会話なしカット”とは【札幌】

コロナ禍でよく目にするようになった、密を避ける新サービス。端末でホテルのチェックインができたり、ロボットが席まで食事を運んでくれたりと、機械を使って「会話なし」を実現した店や企業が増えました。

そんな中、“人と人が関わることが必須”の場所でも、「会話なし」サービスが広がりつつあります。

美容室です。

今月19日から「会話なしカット」を導入した札幌の美容室を取材すると、コロナ禍で注目されたサービスが、潜在的にあった不満も同時に解決することがわかりました。


連載「コロナ禍ライフハック

美容室に行くのが、“おっくう”だと思ったこと、ありますか?

札幌市中央区にある「ヘアメディカルサロン札幌」。去年10月20日=頭髪(とうはつ)の日にオープンした美容室で、今月で1周年を迎えました。

店長の三橋正隆(みつはし・まさたか)さんは、お客さんとの会話の中で、美容室に来るのが“おっくう”だと思っている人がいることに気づいたといいます。

三橋さん

「美容室は緊張するから、半年に1回くらいしか行かない、数か月に1回だけという声を何度か聞きました」

“おっくう”だと思っている人は、どれだけいるのか。その理由は何か。全国の20代から60代の男女に、WEB調査をしたといいます。

その結果、半数近くが“おっくう”だと感じることがあると回答。理由としては、「立地・移動が面倒」「理想の髪型になるか不安」などの声がありましたが、最も多かったのは「美容師との会話」で、およそ7割にのぼりました。

「美容師と会話したいですか?」という問いには、7割が「まったく会話したくない」「あまり会話をしたくない」と答えました。

『ヘアメディカルサロン札幌調査』調査手法:web調査/対象地域:全国/対象者条件:20代~60代の男女/サンプル数:300s

気配りが嬉しい人も、負担になる人も

三橋さんは美容師になったとき、「お客さんと会話しなさい」と教わったといいます。「コミュニケーションをとることで、気配りができると思っていましたが、その気配りが負担になるお客さんもいるなら、気軽に来てもらえるようにしたいと思いました」

そこで、予約の際に選べるメニューに、「会話なしカット」という選択肢も追加したのです。カウンセリングで最低限の要望を伝えた後は、雑談をせずに、リラックスして過ごすことができます。

カット開始前に記入するカウンセリングシート。ヘアスタイルの悩みや相談を記入できる

実はこのコロナ禍で、東京の美容室などで少しずつ増え、人気を集めつつあるサービスです。感染の不安を和らげる効果もありますが、ヘアメディカルサロン札幌は、以前からの潜在的な不満も解決できる方法として目をつけたのです。

店内は一席ずつ個室になっていました。これもコロナ禍での配慮かと思いきや、お客さんの精神面に配慮した工夫だそう。

ヘアメディカルサロン札幌は、AGA治療などで知られる「Dクリニック」の系列店で、髪に悩みがある人を主なターゲットしています。なので、「頭皮への負担が軽い薬剤を使う」などの工夫と同じように、「ほかの人の目を気にしなくていいように」と、個室にしているといいます。

カーテンを閉めて、プライベート空間でカットしてもらえる

コロナ禍で変わってきた、私たちの生活。「気兼ねなく旅行に行きたい」「大人数で食事したい」など、コロナ禍以前の生活を求める声もあれば、「オンライン会議で遠くの人とも気軽に話せるようになった」「テレワークで通勤がなくなって自由な時間が増えた」など、感染収束後も続けたい習慣がある人もいるのではないでしょうか。

美容室の「個室」や「会話なし」サービスが、感染防止以外のお悩みも同時に解決するように、コロナ禍で注目された物事を見つめ直すと、思わぬメリットに気づけるのかもしれません。

***
ヘアメディカルサロン札幌
・札幌市中央区北4西2-1-2 キタコートレードビル1F
・定休日:月曜、火曜
・011-233-5433

連載「コロナ禍ライフハック
文:Sitakke編集部IKU

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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