2022.10.19

暮らす

ニュースでよく耳にする「初冠雪」ってどういう現象?今シーズンの傾向は?【気象予報士コラム】

「天気を味方にすると、暮らしはもっと快適になる!」をテーマに、毎日の生活に役立つお天気情報の”見方”を気象予報士がお伝えします。

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HBCウェザーセンター・気象予報士の児玉 晃(こだま・あきら)です。私は子どもから大人まで、 「多くの人に天気に興味を持ってもらいたい」 という思いでYouTubeチャンネル 「てんきよほう」を運営しています。

登場人物プロフィール


動画内では、「気象予報士あきら」として、謎の宇宙人「ディガンマ」と天気のアレコレを楽しく分かりやすく解説しています。動画で紹介したものの中から、今回は 「初冠雪」 について紹介します。

今回のお話:”初冠雪”ってなぁに?

ディガンマが “季節の便り” を持ってやってきた。差出人はなんと山から 「初冠雪しました」 という内容だった・・・

手紙を受け取った、ディガンマ。彼が抱いた、天気のギモン。

「初冠雪って、なぁに?」

「初冠雪」の発表はどういう仕組みになっているのでしょうか。気象予報士あきらが解説します。

初冠雪とは、秋になって初めて高い山のてっぺんあたりが、雪で白く見えた日のことです。ディガンマは山小屋の人が知らせると思っているようですが、そうではありません。山から少し離れた場所にある気象台の人が観測します。

例えば、富士山であれば山梨県の甲府地方気象台が初冠雪を観測します。静岡県の方から白く見えていたとしても、甲府地方気象台から白く見えないと公式な初冠雪とはなりません。

気象庁では全国約80の山で初冠雪の観測をしています。そして、季節の進み具合を知る目安としています。

日本で最初に初冠雪する山は、平年で見ると富士山・・・ではなく、北海道の旭岳です。平年は9月25日で、9月中に初冠雪するのはここだけです。2番目が富士山の10月2日、利尻山の10月3日と続きます。

11月になると西日本の山でも初冠雪が見られるようになり、九州の宮崎県鰐塚山(わにつかやま)では、年が変わって1月24日が初冠雪の平年日となっています。

ここでディガンマから、するど~~い質問!
「沖縄の山は初冠雪の観測をしないの?」

沖縄は高い山でも500メートルくらいしかないので、雪は積もりません。しかし、南だからといって雪が降らないわけではなく、台湾では4000メートル近い高い山があり、そこでは雪が積もることがあります。

話を聞いているのか聞いていないのか、食いしん坊なディガンマはてっぺんが白い山を見ていると、どうしてもコーヒーゼリーを思い出してしまうようです(笑)

これも「食欲の秋」ということでしょうか・・・

*ちなみに今シーズンは、9月30日に富士山の初冠雪が観測されました。10月5日は旭岳と利尻山で、6日は雌阿寒岳、18日は手稲山で初冠雪が観測されています。(10月18日現在)

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文・イラスト:気象予報士 児玉晃

児玉晃予報士が所属する気象予報士クリエイター集団「サキドリーズ」が運用するYouTubeチャンネルてんきよほうでは、日本全国の天気や季節の話題をわかりやすくお伝えしています。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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