2022.09.29

出かける

ワインの町で誕生した“余市ワインポーク”をたのしむ【余市町/北島農場】

アルコール全般と地元・北海道をこよなく愛するライター・オサナイミカが、今こそ知ってもらいたい、北海道の食とアルコール+ロケーションの素晴らしさを綴ります!

余市町だからこそ出来る、ワイナリーツアー、プラスα

北海道内には“ブランド豚”がいくつかありますが、『北島豚』というブランド名は耳にしたことはありますか?
筆者のオサナイは2016年の夏に、余市町にある“ヨイッチーニ”というイタリアンレストランで初めて北島豚を食しまして、さらに豚を育てている北島さんにも出会いました。

北島豚を、余市町のブランド豚にするというアツい想いを聞きました。

その後、余市町内はもちろん、札幌市内の有名店などでも北島豚を使用しているお店が増え、よく耳にするようになりました。

薬に頼らない飼育、地下150メートルの地下水とエサに麦を与えて育てている北島麦豚は、臭みのない柔らかくて美味しい豚肉なのですが、さらに美味しい豚肉を作ろうと、余市町産のワインを飲ませて育てている“ワインポーク”が誕生したのです。

その“余市ワインポークを味わう会”が9月に行われました。

まず訪れたのは、ぶどう畑。
こちらの畑は、先日の 余市ラフェトでも訪れました、『キャメルファームワイナリー』さんです。
ワイナリーの中で一番標高の高い場所まで歩いてのぼり、畑全体を眺めたのですが、とにかく広大!!
栽培面積はおおよそ、13.5hあるそうです。

キャメルファームワイナリーのスタッフ・新澤さんより説明を受けます(ちなみにお隣にいらっしゃるのが北島さん)

キャメルファームワイナリーさんは2017年から自社醸造が始まっていますが、この立派なぶどうの木を見ていただけると、樹齢がかなり経ってっていることがお分かりになると思います。
この地で40年以上ワイン醸造用のぶどうを手掛けていた藤本毅さんから栽培技術と共に畑を受け継ぎ、今に至ります。

ちなみにこちらは若い苗木。太さが全然違いますよね!

収穫の時期を待つぶどう

『レゲンド』というドイツ系の品種で、北島豚はこのぶどうで醸造した赤ワインを飲んでいるそうです。

『よかったら一粒味見してみて下さい』とおっしゃっていただいたので、遠慮なく食べてみました。
美味しい!!
聞くと、糖度は16,7度ほどあるそうですが、程良い酸味もあるので、甘さも程良く感じるそうです。

こちら小売りはしていない、北島豚に飲ませているレゲンド。
北島さん曰く、ブタもワインを飲むと酔うそうで、千鳥足状態になるそうですよ!
実は最初はワインの搾りかすを与えてみたそうなのですが、酸っぱすぎたのか、全然食べてくれなかったのだそうです。
そこでワインを飲ませてみたところ、美味しそうに飲み始め、後に肉質を確認して見ると、今までのものより柔らかく、きめ細やかでキレイな肉質の豚肉が誕生したとのこと!

ぶどう畑での『試飲』ほど美味しいものはない!!

9月にしては少し汗ばむ陽気の中、高低差のある畑を歩いたので、喉はからっから。そんな私たちの心を読んだかのように、ワイングラスにワインが注がれていきます。

まさに、至福の時間!!

今回は泡・白、赤の3種類を味わいました。
ちなみに右端の赤ワインが『レゲンド』
ちゃんと、私たちが購入できるボトルも販売されていましたよ(笑)

キャメルファームワイナリーには直売所があります。

営業日はワインの購入や、有料試飲も可能。また、カートで回るワイナリーツアーもあるので、ぜひ一度、この感動を体感してみて下さいね。

今回限りの余市ワインポークフルコースをワイナリーで味わう

キャメルファームワイナリーですでに3杯も飲んでおりますが、本番はココから(笑)バスに乗り込み、向かった先は、『リタファーム&ワイナリー』

こちらでもまず、畑の見学をしながら説明を受けます。
ちなみに右手にいらっしゃるのは、リタファーム&ワイナリーの醸造家・菅原さん
そして奥にいらっしゃるのは、今回ナビゲーターとして参加していた、札幌出身のアーティスト・佐藤広大さん。
佐藤さんは、TV番組の企画でリタファーム&ワイナリーさんの一角で、ぶどう畑を手掛けたそうです。

リタファーム&ワイナリーさんの畑の一番高いところからの眺め。余市はこの斜面と海からの風がぶどうの栽培に適していると言われています。

ただ、同じ余市町内でも、場所によって日の当たる時間が違い、土質も変わってきます。

余市町の登地区の中では最南端にあるという、リタファーム&ワイナリーさんは、陽の当たるあたる時間が長いため、ぶどうの糖度が上がるそうです。

こちら、土を掘り起こした際に出てきたという石。よく見ると角のない丸石ばかり。これは川底でよく見かける石の特徴なのですが、この場所はその昔は川だったそうです!
そのような土地の特色で、各ワイナリーのワインの特徴も出てくるのです。

さて、普段は直売所として利用している手前の建物の中がザワザワしてきました。

なんと!すごい量のお皿が並べられていました。

カウンターの奥にいたのは、今や北海道を代表するシェフとして全国を飛び回っている、下國伸氏。

こちらで本日頂く、余市ワインポークのフルコースを用意していらっしゃいました。
決して使い勝手のよい厨房ではないこの場所で、果たしてどんなお料理が出てくるのか・・・ワクワクします!

こちらが本日の内容。

最初の1品“ワインポークおつまみの群れ”は、お皿4枚の構成!

すみません、撮影のために勝手に一皿にアレンジしてしまいました。
こちら、すべてに余市ワインポークが使用されています。
どれもワインが飲みたくなる“つまみ系”の味わい。

リタファーム&ワイナリーでの最初のワイン『キュベ・リタ ノンデコルジュマン シャルドネ』は、小売りしていないワイン。
今日のために特別に提供して下さったそうです。

こちら、どちらも同じボトルから注いだワインですが、濁っているのはボトルの底の方のワイン。
澱引きをしない自然派ワインだからこその違いも楽しみました。(個人的には底好きです・笑)

ミミガーバターとパン。
ミミガーバター?思わず2度見してしまう珍しい一皿。これもまた、飲まさる一皿!

豚骨プリンとガツカツ。
メニュー名からはまったく想像のつかなかった1品。
そして、まさに豚を惜しみなく使用した1品!

タンと椎茸のサブレ。
もう、唸ることしか出来ない料理が続きます。

とんこつパスタ!!
いやぁ、こう来ましたか・・・

ローストスモークとラフテー

下國シェフのおかげで、今日改めて豚肉の奥深さを知りました。
そして下國シェフがココまで気合を入れて挑んだということは、余市ワインポークのポテンシャルが素晴らしく高かったのだなと思ったのです。

そんな素晴らしい料理に合わせるワインも完璧でした。
というか、すでに3杯飲んできた私たちとしては、この量はちょっと・・・と思ったのですが、美味しいモノならいくらでも入ってしまう自分の身体にビックリしました(笑)

駅前で帰る直前までワインを堪能

かなりイイ量のワインを飲んで、お腹も十分に満たされていたのですが、余市ワインポークを知るモニターツアーですので、まだ終わらせてはくれません(笑)
余市駅前にバスが停まり、少し歩いて辿り着いたのは、昨年オープンした『wine & cafe Qunpue(クンプウ)』さん。

地元や仁木町のワインをグラスで楽しむことが出来る、ふらりと立ち寄れるお店です。
写真は、平川ワイナリーのワイン。

こちらはクンプウさんの並びにある、『余市リキュールファクトリー』さんの桃のリキュール。
他にもりんごやぶどうなど、余市のフルーツを使用したリキュールがあります。

そしてこちらが、余市ワインポークの生ハム!

北島豚の質の良さが、一目瞭然で分かります。

塩味が程良くて、口の中でとろける生ハムは、いくらでも食べられてしまう美味しさでした。

さらに余市駅のお隣にある『エルラプラザ』では、300円で30mlのワインが飲める、有料試飲コーナーも!
帰る直前まで、ワインに酔いしれたツアーとなりました。

今回の参加者の感想や意見をもとに、バスツアーを企画していくそうですので、余市観光協会などの公式サイトをチェックしてみて下さい。

北島農場
キャメルファームワイナリー
リタファーム&ワイナリー
wine & cafe Qunpue
余市リキュールファクトリー
エルラプラザ

写真・文 オサナイミカ

【ライター:オサナイミカ PROFILE】
札幌生まれ・札幌育ちの、アルコールをこよなく愛するアラフィフ、小学生の息子の母。 (株)リクルートが発行する情報誌生活情報サンロクマル(現Hot Pepper)の営業を経て、 2007年よりWEB情報サイトSapporo100milesの編集長として、札幌や北海道の食と観光の情報を【オサナイミカのつぶやき】にてアップしている。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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