絶滅したはずのティラノサウルスが、大量に出現!?
そして繰り広げる全力疾走!!!
驚きの光景、実はこれは、ティラノサウルスの着ぐるみを着用して速さを競う「ティラノサウルスレース」!
いま、全国でひそかにブームになりつつあるんです。
数年前から海外で人気だったというティラノサウルスレースは、4月に鳥取県で、日本初開催。
すると、その後も山梨、青森、島根と、またたくまに全国に広がったのです。
そしてついに先日、北海道にも初上陸!
大盛り上がりのレースの模様、そして主催者の想いを取材しました。
9月24日(土)、レースが開かれたのは、空知地方の奈井江町。
人口5100人ほどの小さな町です。
ここに集まったティラノサウルスの数は、なんと100体以上!
町内はもちろん、札幌や東京など、各地から参加者が集まりました。
ずらりとティラノサウルスが並ぶ光景は、圧巻です。
参加者たちも互いに記念撮影したり、楽しそうです。
なお、恐竜の着ぐるみは各自自前で、参加費は無料。
着ぐるみは、大人用は5000円程度で購入できるそう。
そして始まった開会式。
参加者にあいさつする奈井江町の三本英司町長も、ティラノサウルス姿で登場です!
「思いっきり楽しんでコロナだとか、いろんな憂さを晴らしてほしい」と呼びかけました。
レースの前には、みんなでラジオ体操です。
100体以上のティラノサウルスが並んでラジオ体操する姿はとってもユーモラスです。
ラジオ体操でしっかり体をほぐしたら、さあ、いよいよレーススタートです!
子ども、成人男性、成人女性の3部門に分かれ、50mの速さを競います。
こちらは子どもの部の様子。
小さな可愛いティラノサウルスたちが一所懸命ゴールを目指します。
大人たちのレースは、真剣勝負!
疲労のあまり、ゴール直後に倒れこむ恐竜もいるほど。
観客も大盛り上がりでした。
「すごい楽しかった」「楽しいですね。思った以上に走りづらいけど」などと笑顔で話し、レースを楽しんだ様子の参加者たち。
初開催のティラノサウルスレースは大成功に終わりました。
今回のレースを企画したのは、奈井江町地域おこし協力隊の大城未悠奈さん。
「マチを盛り上げたい」「ティラノサウルス100体集めたら楽しい、シュールなイベントで人を集めたいと思って企画しました」と語ります。
そこには、マチが抱える、ある深刻な問題が背景にありました。
こちらは、町役場が発行しているチラシ。
そこには「なんにもないえ」の文字が。
「奈井江町の魅力は?」と奈井江町民にもインタビューしたところ、「特に・・・」「なんもないべ」との答え。
知名度のある観光資源などに乏しく、自虐的に奈井江町を「なんにもないえ」と称してきた奈井江町民。
今回のティラノサウルスレースは、そんな「何にもない」というマイナスイメージを払拭するために企画したイベントだったのです。
大成功のイベント後、「みんなが楽しんでくれてよかった」と満足気だった大城さん。
「奈井江町は何もないわけではない」
「それ(マイナスイメージ)をちょっとでも払しょくできるように、少しでも奈井江町の名前を憶えてくれるイベントになったかな」と手ごたえを語っていました。
ティラノサウルスレースで町おこし!
これから道内各地でも見られるようになるかもしれない、楽しい取り組みでした。
※掲載の内容は番組放送時(2022年9月26日)の情報に基づきます。