2022.09.15

出かける

町全体でワイン文化を盛り上げる!全国からワイン愛好家が集うまち【北海道・余市/仁木】

アルコール全般と地元・北海道をこよなく愛するライター・オサナイミカが、今こそ知ってもらいたい、北海道の食とアルコール+ロケーションの素晴らしさを綴ります!

前回、ぶどう畑でレストランで仁木町のワイナリーをご紹介した流れから、あらためて余市・仁木地区のワインの魅力について綴りたいと思います。

全国からワイン愛好家が集う、大人気のイベント

2015年から余市登地区で年に一度開催されている【La Fête des Vignerons à YOICHI 2022~ラ・フェトデ・ヴィニュロン・ア・余市】通称、余市ラフェト。

ヴィニュロンとは、ワインぶどう生産農家、ラ・フェトはフランス語でお祝いを意味しており、日本語にすると、“農園開放祭”となります。

この日に限り、普段は関係者以外入ることのできないぶどう畑の中で、そこで栽培されているぶどうで造られたワインを味わう事の出来るイベント。

新型コロナウイルスの影響で3年ぶりの開催となり、また参加出来る人数が前回の約半分と言う事で、ネットで販売された入場券は、5分持たずに完売したのですが、奇跡的にチケットを購入することができ、参加してきました。今回は、イベント参加を通して、あらためて感じた、余市・仁木地区のワインの魅力について綴りたいと思います。

筆者のオサナイは札幌からの参加でしたので、高速バスで余市駅前まで向かいました。この方法だと、乗り換えなしで余市まで向かうことができるのですが、始発駅から乗らないと、満席で乗車できない可能性もありますので、注意です。(他にはバスやJRで小樽まで行き、乗り換えて余市まで行くことも可能)

余市駅から受付会場のニトリ観光農園までは、シャトルバスで向かいます。

それにしても、素晴らしく良いお天気で、飲む前からテンション高めです(笑)

受付ブースで電子チケットを見せて、缶バッジをもらいます。

お隣のテントに移動し、ワイングラスとグラスフォルダー、MAPなどを受け取りました。
ちなみにこのグラスはそのまま持ち帰るシステムで、参加費は2500円。

オリジナルTシャツも販売していて、早速こちらに着替えて参加されていらっしゃる方もいました。

コースをどう攻めるか、まずは作戦会議

マップには、今回開放している農園と、そこに参加されているワイナリーさんや飲食ブースの名称が載っているので、まずはどこから攻めるか考えます。
ちなみに以前は、各ワイナリーまで行かなくてはならなかったので、かなり広範囲を歩いたり、場内を循環バスが走っていた時もあったのですが、今回はギュッと集約されていたので、時間内(10:30~15:30)にはすべて回れる計算。

ですが、お目当てのワインが品切れしてしまうこともあるので、その辺りも考えつつ回るのです。

出発前に、前日にネットで予約していた、『余市Sagra』さんのラフェトのために用意された特製おつまみセット(2000円)を受け取り、いったんリュックにしまっていざ出発!

まず最初に向かったのは、『ドメーヌ・ユイ』さん。2020年に誕生したばかりのワイナリーです。

樽もまだ新品!

各ブースには数種類のワインがあり、30mlで200~300円程度で提供しています。
全種類飲みたいところではあるのですが、最初から飛ばしてしまうと最後までたどり着けない可能性があるので、吟味してセレクト。

まだ午前中、しかも気温高めの一日になりそうでしたので、泡や白から飲むのがオススメです。

また、数量が少なくて市場に出回っていないワインなどを飲んでおくことも大事。

どれも美味しくて、結局1軒目から3種類も飲んでしまいましたが、気合を入れて次へ向かいます!
ちなみに道は歩行者専用ではないので、車には注意です。

移動する道路の脇にはぶどう畑が広がっていて、眺めているだけで癒されるので、歩くのも全然苦になりません。
と言っても平たんな道ではないので、若干息は上がります(笑)

もう一度、受付ブースのある会場に立ち寄り、『ル・レーヴ・ワイナリー』さんのブースへ

先日の、【ぶどう畑でレストラン】では飲まなかった、“endless story”を頂いてみました。
やっぱり美味しい!と、飛ばし過ぎないように、いったんブースを離れ、お向かいにあった『リタファーム&ワイナリー』さんのブースへ移動。

こちらも初めて飲んだ、“キュヴェ・リタ”のソーヴィニヨンとシャルドネ

これがまた、今まで飲んだ道産の白ワインとは違った熟成感があり、驚きました。
なぜこういう味わいに?とブースにいらっしゃる生産者さんに聞くと、すぐ教えていただけるのも余市ラフェトの魅力。

次のブースに向かい歩き出すと、まだ比較的若い苗木のぶどう畑も、ところどころに見ることが出来ます。
余市町はワイン特区になってからすごい勢いでワイナリーやワイン用のぶどう栽培農家さんが増えており、来るたびに景色が変わっています。

この風景も、数年後にはまた、変わっているのかもしれません。

山田堂管理農園では、くまコーラの飲み比べをしてみました。

同じくまコーラでも、ドライだったり、少し甘みがあったりとニュアンスが違うのですが、1杯が小量だからこそ飲み比べが出来るのも、余市ラフェトの魅力。
そもそもここまで揃っている飲食店もそう多くないので、つい全種類制覇してしまいたくなるのです^^

各ブースで購入出来る料理を、好きな場所で堪能する

くまコーラを美しいぶどう畑を眺めながら堪能した後は、余市ラフェトの時だけ特別に開放してくれた畑の中を歩いて、次の目的地へ

何度も言っちゃいますが、『気持ちいい~~~!!』。

ここで、パン屋さんを発見!
余市町内にある『ぱん処』さんが、余市ラフェトに合わせて特別出店。
このように、ワインブースの他に、町内外から駆けつけてくれた飲食店さんが出店されているので、気になったお店で購入します。

こうして好きな場所にレジャーシートを敷いて、ピクニック感覚で楽しむことも可能です。

色んな所に美味しいものがあるので、ワイン同様、どこで買うのが良いか迷ってしまいます。

そうそう、最初に受け取った『余市Sagra』さんの特製おつまみセットも食べないと!
普段は完全予約制のコース料理を提供しているお店のお料理を、こうして気軽に楽しめるのも、余市ラフェトならではの贅沢さ。

おつまみが美味しいと、ワインも進み、ワインが美味しいと、つまみも進むという、無限ループのはじまりです(笑)
ちなみに写真はドメーヌ・タカヒコさんのワイン

そして、こちらはドメーヌ・アツシスズキさんのワイン

こちらは、2020年に誕生したランセッカさんのワイン

ドメーヌ・アツシスズキさんも、ランセッカさんも、ドメーヌ・タカヒコさんのところで研修をされた門下生。
2010年にドメーヌ・タカヒコの曽我さんが余市を拠点にワイン造りを始めてから、ワイン造りに興味を持って余市に移住された方がたくさんいらっしゃいます。

余市町そして仁木町は、もともとフルーツ王国と呼ばれるほどフルーツ農家さんが多い地区ではありましたが、そのほとんどが生食用で、さらに農家さんの高齢化も進み、畑を手放さざるを得ない状況でした。
そんな中、ワイン用のぶどうを栽培したいという若者たちが移住してきてくれたおかげで、そのまま農地として活用されているのです。
美味しいワインのおかげで全国から注目が集まり、ワイナリーだけでなく、飲食店や宿泊施設も毎年増えています。
ワイン醸造が、余市町・仁木町の活性化に大きく貢献しているのは間違いないのではないでしょうか。

↑キャメルファームワイナリーさんのぶどう畑

家族経営の小規模なワイナリーから、企業レベルの大規模ワイナリーまであるのですが、それぞれの特性を生かしつつ、町全体でワイン文化を盛り上げているのが素晴らしいなと、久し振りに余市ラフェトに参加して思いました。

それにしても、どこのブースに行っても気になるワインばかりで、気が付けば26種類のワインを飲んでいたようです(汗)

後半は品切れしているブースもありましたが、概ね飲みたかったワインは飲めたかな?
来年はぜひ、参加人数をもう少し増やして、より多くの方に余市町・仁木町のワインの魅力を伝えて欲しいなと思います。
ただし、ぶどう農家さんにとっては一番多忙な時期でもありますので、無理のない範囲で、出来るだけ長く続けて欲しいイベントです。

参加された皆さま、お疲れ様でした!

そして、余市ラフェトを開いてくださった皆様、本当にありがとうございました。
来年の開催も楽しみにしています!

余市観光協会

※掲載内容は掲載時点(2022年9月)の情報に基づきます。

***

【ライター:オサナイミカ PROFILE】
札幌生まれ・札幌育ちの、アルコールをこよなく愛するアラフィフ、小学生の息子の母。 (株)リクルートが発行する情報誌生活情報サンロクマル(現Hot Pepper)の営業を経て、 2007年よりWEB情報サイトSapporo100milesの編集長として、札幌や北海道の食と観光の情報を【オサナイミカのつぶやき】にてアップしている。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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