お悩み#1 なんだか自分が空っぽになったような気分。どうしたらいい？

お悩み相談連載企画、始動！

ハァ～イ、みなさん、ごきげんよう！
この度、Sitakkeの「お悩み相談コーナー」を担当するとこになりました、満島てる子と申します。普段はバーの店長だったり、LGBTパレードの実行委員として人前でおしゃべりしたり。札幌でちょこまかと何かをしている女装のゲイです。

連載タイトルはズバリ！「インテリ女装家・満島てる子のお悩み相談ルーム」よ。
以後お見知りおきを～！

さて、あたしったらこれからいろんな方のモヤモヤに、読者のみなさんと一緒に向き合っていくことになるのよね。どうぞよろしくお願いします！

・・・ただ、あたしだって悩み多き人生の途上。
相談に答えるどころか「実は…」と突然自分の悩みを披露しだして、迷路に入っちゃわないか今から不安なの（笑）もしそうなったとしても、みんな笑ってやってくださいね。

今回寄せられたお悩み

と前置きはこれぐらいにして、早速今回の悩めるお客さまをお迎えしましょうか。
初回よ初回！どんなお悩みかしら～⁉恋愛系⁉はたまた仕事関係だったりして！？

「昨年から札幌に来ました。きっとやりたいこととかなりたいものがあったはずなのに、今は見つからないです。やらなければならないこともできなくなってきて、どうしたらいいのかわからなくなってきました。なんだか自分が空っぽになっていくようで、さみしくてかなしいような気がします。こんな自分、一体どうしたらいいでしょうか。」

・・・ねえちょっと待って。

しょっぱなからえぐくない？もうこのコーナー今回で終わるんですかってぐらい戦闘力高めなんですけど。
このあふれ出る喪失感というか虚無感というか。強い、強いぞ！

・・・でもなんだか、今のあたしにはこのお悩み、とっても響くんですよね～。

というのもね。

この投稿者さんはど「よしやるぞ！」という気持ちで札幌にやってきたんだろうから、その分余計に焦りとかも感じているのかなと勝手に予想してるんだけれど…。このコロナ禍の最中、似たような不安とややしばらくあたしも闘ってきたなぁと、なんだか共感しちゃったんです。
「感染状況落ち着いたらこれやりたいね！」なんて誰かと話すタイミングがあっても、心のどこかで諦めていたり。
守らなきゃいけないはずの店の看板すら、時短や休業の繰り返しでまともに明かりを付けられないまま。したいこともすべきこともぐちゃぐちゃになってむなしくなる場面が、この１年以上何度もありました。

本当にしんどいのよね、そういう時って。読んでる方はどうでしょう？同じような経験、あるんじゃないかしら？

あたしなりのAnswer

な～んて自分に寄せて語っちゃって、早速、迷路突入気味になってしまったけれど（笑）
そう、ここは「お悩み相談コーナー」！
てことで投稿者さんにとっても共感しつつ、あたしなりのアンサーをさせていただきますね。

うんとねぇ。

やりたいことやなりたいものが無くても、別にそれでいいんじゃないかしら？

札幌に出てきた時はいろんな夢があったかもしれない。それがうやむやになっているから苦しいのよね。でも「初恋の人と添い遂げました」なんてピュアピュアな恋愛が激レアなのと一緒で、人生の進路について初志貫徹で順風満帆な人、きっと少ないはずなのよ。

それより、挫折や回り道にうんざりするほどハマってたら、たまたま出会った人・やることになった仕事がそれなりに自分の肌に合ってたなんていう方が、おそらくありがち。
で、続けてたらそれが最愛の人・やりがいのある仕事になっていたりしてね。あたしにとって女装業はそんな感じでした。

だから、投稿者さんは先の不安で心の中は一杯かもしれないけれど、タイミングがくるまでのんびり待っているのが、あなたにとって今一番やるべきことだと思います。
（これあたし、自分に言い聞かせながら書いてるわ……笑）

その時はきっと待ち方も大事。手持無沙汰な期間って、なんだか「あたし何もできてない」って罪悪感湧いて、自分をいじめがちじゃない？
でも「何をすべきか・できなかったか」は最低限にして、「何をしていると・どんなところにいると心地よいか」という基準でものを考えてみると、空気の通りがぐっとよくなる気がするの。そして、そんな心地よい環境を求めていけば、自分を活かしてくれる人物や機会に自然と出会いやすくなるはずです。

焦らずに、過ごしやすい環境を探すことは諦めないで、タイミングが来るまでのらりくらり生き抜くこと。
簡単なようで難しいけれど、ぜひ意識してみてはいかがかしら。投稿者さんの気持ちが少しでも晴れることを祈ってます！

まとめ

てなわけで、初の「お悩み相談」だったわけだけれど……。
なんだか思いのほか真剣なお悩みだったから、あたしもちょっと本気でがっつり書いちゃったわ。
カウンターに立っているときは「よ～し、あのね、酒で流しましょ！」ぐらいのテンションなんだけれどね（笑）

ともあれ、ゆるゆるといろんな方の相談に乗っていければと思っております。
次はどんな内容がくるのかしら……怯えるザビエル（？）。

ではではみなさん、Sitakkeね！

文｜満島てる子
(オープンリーゲイの女装子。北海道大学文学研究科修了後、「7丁目のパウダールーム」の店長に。LGBTパレードを主催する「さっぽろレインボープライド」の実行委員を兼任。)