2022.08.10

暮らす

今年は大雨の期間が長くなるってホント?気象予報士が解説

「天気を味方にすると、暮らしはもっと快適になる!」をテーマに、毎日の生活に役立つお天気情報の”見方”を気象予報士がお伝えします。

8月7日の「立秋」を過ぎ、暦の上では秋に入っています。秋は前線や台風の影響で雨が多い季節です。しかし、今年はいつもより早く大雨シーズンに突入していて、大雨に注意が必要な期間が長くなるおそれがあります。

晴れの天気をもたらす高気圧が大雨の原因!?

8月3日から5日にかけて、前線の影響で東北や北陸、近畿地方など広い範囲で記録的な大雨になり、河川の氾濫や土砂災害など甚大な被害となりました。

今週(8/8~)も前線が停滞し、道内でも記録的な大雨になり、道路が冠水したり、東北でも再び大雨による被害が出たりしました。

この大雨の原因の1つは、意外にも、晴れの天気をもたらす「高気圧」なのです。
通常の8月前半は夏の「太平洋高気圧」が日本付近に張り出して、夏空が広がります。
しかし、今年は8月に入ってから高気圧の北への張り出しが弱く、北日本に前線が停滞する状態が続いています。

この前線に向かって南から雨のもととなる水蒸気をたっぷり含んだ暖かく湿った空気が流れ込み、雨雲を発達させ、大雨になっているのです。

最新の1か月予報(8/4現在の情報)を見ても、高気圧の北への張り出しは弱い予想で、北海道付近は雨雲の通り道になることが多くなりそうです。降水量は平年並みか多く、日照時間は平年並みか少なくなるでしょう。
これから10月頃にかけて、秋雨前線や台風シーズンで雨の量が多くなります。今年はいつもの年より大雨に注意が必要な期間が長くなりそうです。

気象庁では、さまざまな情報を出して、注意を呼び掛けています。大雨になった場合は、お住まいの地域に何の警報が出ているか確認しましょう。

そして、インターネットで「キキクル」と検索をすると、気象庁が発表する「土砂災害」「浸水害」「河川の増水」の危険度が地域ごとに細かく分かります。
自治体から発表される情報に注意することはもちろんですが、自分から情報を得て、避難の準備などを早めに行うことも大切です。

毎日の天気予報のチェックも、自分でできる防災の1つです。

*参考|北海道の一か月予報(気象庁)
https://www.data.jma.go.jp/cpd/longfcst/kaisetsu/?region=010100&term=P1M

※掲載の内容は2022年8月8日の情報に基づきます
***

児玉晃予報士が所属する気象予報士クリエイター集団「サキドリーズ」が運用するYouTubeチャンネルてんきよほうでは、日本全国の天気や季節の話題をわかりやすくお伝えしています。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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