2022.05.13

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「挑戦することに年齢は関係ない」北海道とともに、世界へ。3度目の挑戦で掴んだ夢。

「これから始まることにすごくワクワクしています」そう笑顔で話すのは、北海道コンサドーレ札幌のオフィシャルチアダンスドリルチーム「コンサドールズ」出身・村田夕奈さん(30)。

先月、北海道出身者としては初となる、アメリカナショナルフットボールリーグ(NFL)の名門であるデンバー・ブロンコスのチアリーダーに合格した。

コロナ禍でもくじけず、前を向き続けた村田さん。話を聞いてみると"挑戦することを恐れない"彼女の強さが見えてきた。

準備だけは他の人に負けないくらい頑張った。

初めてNFLに挑戦したのは2020年。コロナ禍で残念ながらオーディションは中止になってしまった。翌年2度目の挑戦は最終審査で不合格。絶対にまたここに来ると誓って札幌に戻ってきた。

取材時(2022年4月25日)

「NFLで活動していく上で、ファンやチームの人とコミュニケーションを取れるレベルではないから英語の経験を増やしなさい、とフィードバックをもらった。この1年はオンラインで英会話を始めたり、1度挑戦したときに、現地でできたお友達と連絡を取り合って英語で会話したり…本当に英会話を頑張りました」

彼女のがんばりは、それだけではない。ダンス技術の向上やチームの研究など、自分にできる最大限の努力を続けてきた。

「準備の仕方が大事だということに3年目で改めて気づいて、1つ1つ大切にインプットして臨むようにしました。ただがむしゃらに頑張っても意味がないと思ったので」

チームが主催する週2回の練習はもちろんのこと、現地で友人と借りたスタジオやジムでトレーニングを欠かさない。とにかく時間さえあれば自主練習に励んでいたという村田さん。自分と向き合い、準備を怠らなかった結果、全世界から集まった100人以上いる受験者の中から見事チームメンバーの26名に選ばれた。

挑戦することに年齢は関係ない。迷いなく一歩を。

最終審査のようす

この3年間の経験をとても楽しそうに話す村田さんにこんな質問をぶつけてみた。

-----頑張り続けることって大変だったんじゃないですか?

「大変だって感じることはあまりなくて、チアが本当に好きで、自分がやりたくて目指したこと。オーディションに落ちたときは悔しい気持ちもあったんですけど、それが苦しい、大変だ、とは感じませんでした。チア以外を考えたこともなかったし考える暇もなかったから、心が折れる瞬間もありませんでした」

-----大人になるにつれ挑戦することが怖いと思うことってないですか?

「本当にやりたいって思ったこと、心が動いたものに対しては年齢とか関係ないと思うんです。環境だって自分がどうするかで変わってくると今回の挑戦で実感しました。本当にやりたいものに出会えた時、迷いなく一歩踏み出してみてほしいです。きっと私だけではなくて、みんなできることだなって思います」

チアリーダーはみんなを繋ぐ役目、これは世界共通だった。

安室奈美恵さんに憧れ「ダンスがしたい」と2006年小学2年の時コンサドールズジュニアに加入した村田さんは、2019年までコンサドールズの活動に青春の全てを注いできた。その後も2021年まではディレクターとして後輩の育成にもあたった。コンサドールズ一筋15年で得た経験が彼女の背中を押している。

「チアリーダーはただ踊るってものではないんです。サポーターの方がいてチームがいて、それをつなぐ役目であり、会場をポジティブな空気にするのが私たちの役目。その意識を大切に札幌で活動してきました。これは世界共通だったんです。今回オーディションを受けるにあたって、コンサドールズとして学んだことが本当に生かされて、自分の自信と勇気に繋がりました」

メンバー決定発表日のようす

北海道とともに、世界へ。

最終審査のようす

コンサドーレが掲げるチームスローガン「北海道とともに、世界へ」を体現した村田さんは、
これから始まる大舞台での目標をすでに見つけ進み始めている。

「コンサドーレは地域密着型のクラブで地元を大切にしているのが伝わるし、サポーターさんはすごく熱くて温かくて日々の生活にコンサドーレが入っている。私はそれが大好きなんです。これから所属するブロンコスにも同じものを感じています。だからブロンコスを選んだんです。試合はもちろん、地域の色んな所に訪問して少しでも何かポジティブなエネルギーを届けられる存在になりたいと思っています」

契約は1年間。毎年オーディションに挑み3年間は活動したいと考えているという。

「将来的には北海道の人を元気づけたり北海道でチアがもっといろんな人に楽しんでもらえるものにしたいなっていう想いがある。子どもたちや多くの人に、チアをやったらすごく元気になれるんだよっていうのを広めていきたいです」

NFLの開幕は9月。村田さんは夢の舞台に立つため、今月10日に渡米した。
頑張ることの楽しさと、目標を達成するため常にポジティブでいることの大切さを教えてくれた村田さん。

全世界へエールを届ける彼女に、私は札幌からエールを送り続けたい。

(文:HBCアナウンサー 世永聖奈)/Edit:Sitakke編集部)

***

左:村田夕奈さん 右:筆者(HBCアナウンサー・世永聖奈)

筆者は、HBCテレビ「今日ドキッ!」のスポーツ担当。2020・2021シーズンには北海道コンサドーレ札幌ホームゲームでコンサドールズの一員としてピッチでパフォーマンスにも参加。そのときに指導してくれた先生が村田夕奈さんだったこともあり、今回の取材に繋がった。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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