長引くコロナ禍。外出や会食の自粛が呼びかけられる中、特に恋活中・婚活中だと、「いつまで続くの?!」と、孤独や焦りを感じている人も多いのではないでしょうか。
人と会えない世の中で、「救世主」となるのが、オンラインで出会えるアプリやサイト。
でも、「本当は日常の中で、偶然の『運命の出会い』が欲しかった…」とあこがれる人に、おすすめの情報があります。
江別 蔦屋書店で、3月4日から31日まで開かれる、特設コーナー。その中でも特におすすめの本は、ベージュのカバーに包まれ、表紙が隠れています。
この本が、「出会い」につながっています。
同じ本を手に取ろうとして、手が触れ合う…。この特設コーナーは、そんな映画のような出会いの入り口です。
ここの本には、『Chapters(チャプターズ)』というサイトの案内が付いています。「月額制オンライン書店」と、「マッチングサービス」が融合したサービスです。
ふだんは、オンラインだけで完結するサービスで、まず、毎月おすすめの4冊から1冊を選びます。届いた本を読んだ後、希望すると、「同じ時期に同じ本を読んだ人」とビデオ通話をすることができる、という仕組みです。
1か月プランは税込1980円、3か月プランは5775円で、文庫本1冊、ビデオチャットのチケット1枚、会員限定ラジオが利用できます。送料もこの価格に含まれていて、居住地によって追加料金がかからないのが、北海道民には嬉しいところ…!
でも、「最初からオンラインサービスに申し込むのは勇気がいる」、「本当に面白い本がピックアップされているのか知りたい」という人が、気軽にChaptersのラインナップを手に取れるように…と企画されたのが、江別 蔦屋書店での特設コーナーです。3月のおすすめ4冊と、これまでに紹介した40冊ほどが、一挙に集まっています。
『Chapters』を企画したのは、森本萌乃(もりもと・もえの)さん・31歳。20代後半で、自身がマッチングアプリを利用する中で、条件をよく見せようとする「しんどさ」 を感じたのが、発案のきっかけでした。
「マッチングアプリで、顔写真、職業、身長などいろんな条件をもとに、相手を選んだり、自分をかわいく見せようとしていたんですけど…『心のコネクションを感じるたった一人』を探しているのに、しんどいな、と思ってしまって」
そんなとき、スタジオジブリの「耳をすませば」を観て、号泣。「本」をきっかけに始まる物語に心を動かされ、「私がほしかった出会いは、これだ! 『日常の延長線上での出会い』 を作りたい!」と考えたそう。
高校時代の「100冊本を読む」という課題をきっかけに、本を好きになっていた森本さん。社会人になって、忙殺されるうちに遠ざかっていたものの、「時間ができたときに、やりたいと思ったのは読書だった」といいます。
実際に、『Chapters』の利用者の7割が、「ひと月に読む本は1冊」と答えているそう。つまり、『Chapters』を利用していなければ、1冊も本を読まない人たちです。森本さんのように、「もともと好きだったけど、いつの間にか読まなくなっていた」という人が多いといいます。
毎月のおすすめ4冊を選ぶ基準は、「文庫本」で、「2センチ以内の厚み」であること。久しぶりに本を読む人でも、読みやすい本にしています。
もちろん、面白いことも絶対条件。森本さんは、「100ページ読んで、続きが読みたいと思うような、『リアルな友達におすすめしたい本』だけにしています。友達に勧めるって、その人の時間を奪うわけだから、勇気がいるじゃないですか」と話します。
1月は「今年こそ」、2月は「思いを寄せる」、など、毎月の選書テーマがあって、恋愛ものからアドベンチャー系まで、毎月違ったジャンルの本に出会えます。
3月の選書テーマは「春一番」。今回は特別で、江別 蔦屋書店のコンシェルジュが、一緒に本を選んだそう!桜の描写が美しく、春が待ち遠しくなる4冊をそろえたといいます。
本のタイトルは見えないのもポイント。イメージ画像と、ページ数、読みやすさの度数、短いおすすめコメントだけで、直感で1冊を選びます。いつも同じ作家・同じジャンルの本を選びがちな人には、「私ってこんな本も好きだったんだ」と、本の世界が広がるきっかけになりそうです。
4月に高知県、5月には東京で同様のイベントを予定していますが、最初に北海道の書店を選んだことにも、森本さんの想いがあります。
「北海道って、いつも開花宣言が最後に来るじゃないですか。だからChaptersの春一番は、たとえ一面の雪景色の中でも、北海道に一番最初に届けたかった!」
オンラインでは月額料金の中で選べるのは1冊ですが、書店でなら、何冊買ってもいいというのも、今だけのお得なポイントです。
本を選んだ後は、同じ本を同じ時期に手に取った人との、ビデオチャットをすることができます。いろいろな「条件で選ぶ」のではなく、本をきっかけにした「偶然の出会い」があるのが、ほかのマッチングアプリとの違いです。
ビデオチャットの演出もユニーク。最初は相手の顔が見えないのです。本の感想を話しているうちに、徐々に顔が見えてきます。
恋人さがしはもちろん、友人さがしに利用してもOK。「外見」や「条件」を気にせず、自分が好きなことを話す中で、「心が通じ合う人 」を探せるようにと考えられた仕組みです。
森本さんは、「コロナ禍で不要不急がそがれた生活になったけど、その失った時間が、本当は人生のエッセンスだったと気づいた」といいます。だからこそ、「日常生活で起こるはずだった、本や人との楽しい出会い 」を作り出していきたいと、目を輝かせていました。
「デジタル化が進む世の中で、どんどん便利になって、ヒマな時間は増えていくと思うんです。だから、そのヒマを、楽しく過ごせる人が、これからの時代は勝つと思うんですよね!ゆっくり本のページをめくる楽しみを知っている人は、強いです」
北海道では、景色や気温が春の装いになるのには、もう少し時間がかかりそう…。だからこそ、おうちで暖まりながら、本を通して「春一番」を感じてみませんか。
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「Chapters」について、詳しくはこちらから:https://chapters.jp/top
江別 蔦屋書店(江別市牧場町14-1):https://ebetsu-t.com/
特設コーナーは3月4日~31日まで
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※掲載の内容は取材時点(2022年3月3日)の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、最新の情報は各企業・店舗にお問い合わせください。