2022.02.16

出かける

「冬の星空を求めて。新月の夜、旅に出た。」【#北海道ひみつの絶景旅③】

北海道・十勝の豊頃町にあるハルニレの木で、星空から日の出までを眺める旅へ。出かけたのは、年に1度の〝厳冬期の新月〟の深夜です。〝新月〟とは満月の反対で、月が光らない日。月が暗いので、星をはっきりと見ることが出来ます。また、厳冬期を選んだのは、快晴の確率が高いのと、朝方に冷え込んでハルニレに白い〝霧氷〟がつくのでは?という淡い期待からでした。

ハルニレの駐車場に着いたのは、午前3時。私以外の車はありません。午前3時30分から、7時30分までの4時間の間に、15秒に1枚ずつ写真を撮っていきます。4時間だと960枚の写真が撮れる計算です。写真(静止画)30枚を並べて、1秒の動画を作り、最終的には、星空が次第に明るくなり太陽が上り始める4時間を、およそ30秒の動画にしようと考えました。

ちなみに、15秒に1度のシャッターは、カメラまかせ。私は寒さに耐えながら、上手くいくことを祈るばかりです。気温はマイナス10度。明け方にはマイナス15度を下回るでしょう。3時30分、記念すべき1枚目です。

ハルニレの木の左上に、まわりよりちょっと白めのかたまりが見えます、〝天の川〟です。そしてハルニレの木の右下、地平線から昇ってきたひときわ明るい星は、金星。
暗いところにしばらくいると、だんだんと目が慣れてきて、肉眼でもこの様に見えます。すでに〝絶景〟ですね。

撮影を始めて1時間半をすぎた午前5時になると「天文薄明」を迎えます。英語では「トワイライト」。まだ日の出には時間があるけれど、地平線に赤みがさして、その赤い色が刻々と、どんどん明るいオレンジ色に変化していきます。

金星もさきほどよりずいぶんと高い位置に移動しました。地平線が明るくなったせいで、見える星の数もずいぶんと減ってきました。
寒さが厳しくなるとともに、カメラに〝霜〟がつき始めました。あわててカメラカバーをかけて、レンズに霜がつかないように、レンズヒーターを巻きつけます。
日の出までには、まだ1時間以上あります。

6時30分すぎ、日の出を迎えました。圧倒的な明るさ、そして太陽によって気温がどんどん上がっていくのを感じます。(ホント、太陽は偉大です!)
ハルニレには結局、期待していたほど〝霧氷〟はつきませんでした。

さて、4時間を30秒に!の動画は、どうでしょう?
まだ細かな調整が必要ではありますが、取り急ぎテストで作ったモノをご覧いただきましょう!

時折、空を横切るのは、〝流れ星〟ではなく、人工衛星。
ちょっとパカパカしているところもあり、色調整を含めて、もう少し作業が必要ですね。こんなめんどうな動画を撮らずに、カメラなしでも、真夜中のハルニレはオススメです。駐車場がちゃんと除雪されていて、そこから歩いて10分ほどでこんな絶景が広がっています。
これからの季節は、明け方の天の川が、さらに美しくなります。
寒さ対策を十分して、ハルニレと冬の星空をながめてみてはいかがでしょう?

[豊頃町の「ハルニレの木」]

帯広駅から37km、車で45分ほど。
時期:1年中、ただし「新月」前後の、日の出の3時間前くらいがオススメ

文・撮影:インスタグラム「北海道3大かわいい動物」プロジェクト 管理人・プロデューサー&カメラマン ami_papa

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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