2022.02.12
深めるは~い皆さん、ごきげんよう!愛を追い求め続けるしがない女装子のゲイ、満島てる子です。普段はお悩み相談コラムを担当してま~す!
やってきましたバレンタイン!みなさんは誰かにお菓子、渡したりするのかしら?
懐かしいわね〜。仲いい子たちと友チョコ交換でワイワイしたり、好きな男の子にそれとなくクッキー渡したり、高校の頃とかどさくさにまぎれていろいろやってた記憶があるわ。今となっては「え?何?なんかしなきゃいけないの?めんどくさくね?」みたいな感じなんだけどね(無精者だという自覚はあります!笑)。
誰かに何かをプレゼント!そしてそれをきっかけにデートに行くことになって……なんてとんとん拍子には滅多にいかないもんですが。笑
それでもクリスマスに並ぶぐらい、たくさんの人が「恋」や「愛」を意識し、思いを巡らせて、そこから何か行動を起こしたりするようになるのが、この聖ヴァレンティアヌスの殉教日なのでしょう(だとするとみんな割と不謹慎なことしてるわね。笑)。
てなわけで!今回のテーマはこちら!
今回は恋愛に悩んでいる人、楽しんでいる人、「恋とか愛とかって一体何なんだろう?」と考えている人たちにも向けて、あたしお気に入りの 文豪たちの名言を3つピックアップ! 簡単な解説を添えて紹介させていただきました。もし気になるものがあったら、ぜひ出典元の本も読んでみてください。どれもサラサラっと読めるものばかりよん。
それでは早速はじめていきましょう!
最初は「恋愛に関する論考といえばこれ!」と読書好きならきっと納得するはずの、こちらの方の名言。
タイトルからして「ザ・王道」感の溢れ出ている『恋愛論』。初版されたフランスにも負けないぐらい、日本での歴代購読数は多いらしいという評判のあるこの作品。様々な恋愛の事例を時に真面目に、時にクスっと笑ってしまうような皮肉を交えつつ紹介していて、中々ボリューミーながらも飽きのこない「スタンダール節」を楽しむことができます。
こちらを読んだのは大学1年生のとき。「恋愛って相手に関する意識や印象を、きれいな結晶みたいにしちゃうところからはじまるよね」という本論の内容に、大学生のあたしは「それや!」と無茶苦茶納得していたことを今でも思い出すのですが……。それと同じぐらい突き刺さったのが、こちらの孤独に関する一言。
誰かのことが好きになったときって、相手が振り向いてくれるかどうか悩んだり、自分の感情のぐちゃぐちゃさに困ったりしているうちに、気持ちを落ち着かせようとして、自分だけでものを考えひとりで思いを巡らすタイミングが、どうしてか自然と増えていくものですよね。
そして、そんなもどかしい時間の中で「どうしてあの人のことが好きなのか」「私はこの気持ちをこれからどうしていったらいいのか」などといった様々な問いを自分自身に投げかけ、そのモノローグによって自分の心を少しずつ強く大きくしていくというか。
この一言にはそんな、恋に落ちた人が必ずと言っていいほど通過する成長の過程みたいなものがよく現れているような気がして……。
お恥ずかしい話ではありますが、誰かに焦がれるような想いを抱いて苦しい状態に陥るたびに、自分のことをいさめるため、あたしはこのスタンダールの言葉を胸の内でよくよく反芻しているのでした。
みなさんも「ぐぁぁもう誰か助けてよ!何この恋辛い!」って感情が爆発しそうになったときには、この名言を思い出してみてください。それをきっかけとして「うん、やっぱりあえて一人の時間を楽しんでみよう」とか、そんなふうに気持ちの切り替えができたとしたなら、あたしとしてもとっても嬉しいです。
でも孤独を突き詰めすぎて「もう恋なんてしません!なんならあいつどころか誰にも会わないから!」ってなっちゃうとすれば、それはそれで危険だと思うの。スタンダールもこの記述の続きとして「しかし成功するためには、社交界に出ていかなければならない」と書いています。だってさ、やっぱり恋も愛も、それどころか人生にまつわる何もかもが、人に会って交流を持たないと、物語としてすらはじまらないのよね〜。
なので皆さんも、ひとりの時間を十分に味わい尽くしたら、少し大きくなった心を携えながら、ぜひいろんな出会いや交流、恋愛の諸々を追い求め、楽しんでみてください。そのための孤独は一種の栄養。よくよく蓄えてみてね!
さて、今回ご紹介した名言は、恋愛の過程で通る「苦しさ」に関するものでした。(あらやだ初っ端からテーマが重すぎたって?)
次の記事では「恋愛にテクニックって必要なの?」「恋愛に欠かせないものって何?」というテーマに迫る、ドイツの文学者の一言をご紹介します。
ではでは、Part.2でお会いしましょう、Sitakkeね~♪
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「連載コラム・てる子のお悩み相談ルーム」
文:満島てる子
Edit:なべ子(Sitakke編集部)
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満島てる子:オープンリーゲイの女装子。北海道大学文学研究科修了後、「7丁目のパウダールーム」の店長に。LGBTパレードを主催する「さっぽろレインボープライド」の実行委員を兼任。) 2021年7月よりWEBマガジン「SItakke」にて読者参加型のお悩み相談コラム【てる子のお悩み相談ルーム】を連載中。