高速道路から一般道へと降りるとき。あなたはどちらにウインカーを出しますか?
調査してみると、ほとんどの人が間違えていることがわかりました。
札樽自動車道の札幌北インター出口。高速道路から、1車線の道路=ランプを降りて、国道5号線=札幌新道に交わる場所です。札幌新道は中央分離帯があるため、車は一方向にしか進めません。
車20台を調べたところ…すべての車が「右」 にウインカーを出していました。ということは、「右」が正しいのでしょうか。
安全運転のプロ・麻生自動車学校の指導員が運転する車に一緒に乗ってみると…
ウインカーは「左」! えっ、どうして?
「止まれ」=「一時停止」の標識があることに注目。高速道路のランプと札幌新道が交わるこの場所は、「交差点」 なんです!
交差点では、自分の車が曲がる方向にウインカーを出さなければいけません。つまり、左に曲がるから、ウィンカーは左なのです。
ちなみに、高速道路の本線に合流するときは、「左折」ではなく「車線変更」なので、「右」ウインカーが正解です。
それにしても、札幌新道に入るとき、なぜほとんどの車が、間違った方向にウインカーを出しているのでしょうか。道行く人に聞いてみると、「ウインカーを後ろから来る車に見せたいので、後ろから来るほうの右ウインカーを出している」「車線変更みたいな感覚で右に出す」といった声が聞かれました。
交通工学に詳しい、北海道大学大学院工学研究院・萩原亨教授は、「道路の形は“合流”になるので、ドライバーは右側にウインカーを出したくなる、合流される車から見てもウインカーを出したほうが合流してくることがわかりやすい」と分析します。ただ、「ここのルールは一旦停止して左ウインカー。ルールと、ドライバーの心理がずれてしまっている」と矛盾を指摘します。
わかりづらい「交差点」になったのは、どうしてなのでしょう。
北海道開発局札幌開発建設部道路計画課・笠松周悟課長は、「先に国道が走っていて、そこに高速道路が新たに建設されることになった。周辺への支障がない形でコンパクトなインターチェンジを採用することになった」と説明します。
札樽道が東西でつながり、札幌北インターができたのは1992年。すでに札幌新道沿いの都市開発が進んでいたことから、札樽道は新道の上に高架で作られ、ランプもそれに沿うように作らざるを得ませんでした。
また、笠松課長は、道路の「合流」でなく、「交差点」になったのには、ほかの理由もあると話します。
「接続される側の道路(=札幌新道)の交差点間隔が短い。合流のかたちをとると、合流するときに車の速度が上がったところで信号交差点が目の前に現れるので危険があるという判断が当時あったのではないか」
特殊な交差点の形と、「合流したい」というドライバーの“心理”による「右ウインカー」。
一方、麻生自動車学校は、「ウインカーは車両が正しい方向に進むうえで唯一の手段」と指摘。安全のために、自分の車の「後続車」に対して、曲がる方向を正しく伝えることが必要だと教えています。
文:もんすけ調査隊(HBC報道部)
編集:Sitakke編集部IKU
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