こんにちは、書き手のマウラです。Sitakkeのパートナーメディア「DO-Life」で記事を執筆しています。
今回は以前より気になっていた「犬ぞりツアー」についてのご紹介です!!
十勝や犬ぞりツアーの魅力について「Do-Life」だからご紹介できるお話を聞いてみたいと思います。
今回お話を聞くのは『マッシングワークス犬ぞりツアー』を運営しておられる滝田さんです。
滝田さんと初めてお話した時の第一印象は「おおらか」。実はお会いする前から『マッシングワークスの滝田さん』というお名前はあちらこちらで聞いていましたがマウラはなんとなく勝手にとっつきにくそう、と思っていました(笑)。想像とは真逆のとても気さくで優しい方です。
ー 早速ですが滝田さん。犬ぞりに至るまでのお話も気になるので簡単な経歴を教えてください。
稚内生まれ、稚内育ちです。短大を卒業するまでいました。就職してからはホテルレストラン、アウトドアガイド(然別湖ネイチャーセンター)、スモークサーモン燻製工場、漆塗り工房、ドラッグストア店長、大工、営業マン、「乳検(牛乳サンプル採取員)」など様々な仕事をしてきました。
ー 想像通りユニークな経歴をお持ちですね(笑)そんな滝田さんがなぜ犬ぞりツアーをやろうと思ったんですか?
犬ぞりを始める以前から犬は長いこと飼っていて、フリスビードッグ、フライボールなどのドッグスポーツやハンティングの鳥猟など、犬と一緒に楽しんでいました。
私が生まれ育った稚内市は、高倉健さん主演、樺太犬のタロとジロで有名な映画「南極物語」のヒットをきっかけに始まった「犬ぞり大会」が昔から行われていました。子供の頃に、複数頭の犬がソリを引いて走る姿を見て強烈な印象を受けたんです。まさか自分が将来犬ぞりを仕事にするとは、その当時は考えてもいなかったんですがね。
大人になって犬を飼い始めてからは、犬と遊ぶ、いわゆる「ドッグスポーツ」のいろんな大会やイベントに足を運ぶようになり、犬ぞりの大会も見にいきました。そこで久しぶりに犬ぞりに再会して、子供の頃見た、あの強烈な印象が蘇りました。
スタート前のそり犬達の、既に走りたくて吠えたり跳ねたり、興奮を抑えきれない様子や、スタートと同時にスッと静かになって一心不乱に走る姿、ソリに乗った人間は決して後ろから怒鳴ったり鞭を使って虐待するように犬を強制的に走らせているのではなく、犬に優しく、時には励ますように語りかけてコミュニケーションを取っているその姿勢、そして冬の北海道の広い雪原をスーッと走っていく美しさに一気に魅了されてしまったのです。
自分が犬ぞりを操縦した時、真っ白な雪に覆われた冬の十勝の大雪原を、エンジンのような騒音も無く、颯爽と力強く走る自分のソリ犬達が引く犬ぞりを操縦した時の感動と、澄んだ冬の景色と鼻毛も凍るほどの凍(しば)れた空気は今でも鮮明に覚えています。
趣味として始めた犬ぞりでしたが、この強烈な体験を北海道好き、冬好き、そして犬好きの方々にも体験して欲しいと思うようになりました。
その二つを組み合わせて、自分が好きなことを仕事にして生きていく事が出来ないだろうかと考えた結果の答えが「犬ぞりツアー」の提供でした。
十勝の犬ぞりツアーを知ったとき、こういうシーンはテレビなどで見たことはあっても実際体験できるなんて!!と驚いたものです。
ー いつから「犬ぞりツアー」をお仕事にされたんですか?
2012年頃から、週末だけオープンという兼業スタイルで始めました。その後は1年ごとに稼働日を増やしていきました。
ー 「犬ぞりツアー」を開始するにあたり大変だったことなどありますか?
犬ぞりに関しては周囲にもやっている人が全くいなくて、情報がほとんどない状態からスタートしました。 その当時は既に北海道の各所で犬ぞりツアーを運営されている大先輩達がいましたので、彼等の犬舎へ訪問させていただいたり、また犬ぞり大会もあちこちで開催されていましたので、大会の会場や出場しているマッシャー(犬ぞり師)達の犬舎に訪問させていただき話を聞いて勉強させていただきました。
その頃からインターネットの普及もあって、犬ぞりの本場であるアラスカやカナダ、北欧の海外のサイトや洋書から知識を得たりもしました。
また犬ぞり犬舎を設立するにあたっては、近隣の方に吠え声、遠吠え等で迷惑をかけない人里離れた場所の確保、犬ぞりが走ることが可能なコースの確保など、地元の住民の方々の理解があってこそ実現が可能でした。 そのため住民の方と同じ目線でこの鹿追や自分の住んでいる瓜幕(うりまく)という地域を語り合えるよう、地元の酪農関連の仕事で6年間ほど働かせてもらったこともありました。
ー 自分の事業を遂行する事だけではなく地元住民の方たちとの信頼関係を別の仕事を通して築いてきたんですね。そういう事ってとても大切なのはわかっていますが強い意志と反面、柔軟性がないとなかなか難しいことだと思います。滝田さんが地道な活動を重ねて伝えたかった事はなんですか?
北海道の冬の美しさ、雪と寒さという自然から得られる様々な恩恵、そして一番身近にいながらもあまりよく分かっていない「犬」という生き物と人との関係について、北海道・十勝に遊びに来た方に知って欲しいんです。
ー こんなに広い雪原を、風を受けながらスピーディーに走行する。これは「犬ぞり」じゃないとできないし、同時に犬と喜びを分かち合えるという事はどんな人にも貴重な経験だと思います。
さて。滝田さんのこれからの展望を教えてください。
少しでも長い期間、犬ぞりが走れる日が多いと、犬も人も嬉しいのですが、北海道で犬ぞりが走れるのは約4ヶ月です。 犬ぞりの季節以外でもそり犬達や自分のようなマッシャー(犬ぞり師)の生活に触れられるよう、犬舎での作業体験や犬達と遊んだり出来るプログラムを体験できるよう準備しています。
先にもお話しましたが、一番身近で、分かっているようで誤解している部分がたくさんある犬という動物のこと、彼等とのコミュニケーションのとり方を、みんなで学んでいける場所にしてみたいです。
また犬舎の周辺は自然が豊かで、山菜やキノコ採り、魚釣り、野生動物やバードウォッチング、満点の星空観察など楽しめます。そり犬以外でも山羊や馬も暮らしていますので、彼等と触れ合えることも出来ます。 これらのことが楽しんで学べるキャンプ場の整備も進めています。
ー 今期の犬ぞりの予定や申し込み方法など教えてください。
予約は既に始まっていて、ホームページから予約出来ます。ホームページに掲載されている予約状況を見て空いている日を探して、電話で直接予約も可能です。
今という時代だからこその鬱々としている気持ちも、犬と十勝の大自然がすっきりと晴らしてくれそうです。
「犬ぞり」はご自身で操縦しますが不安な方はガイドさんのサポートもあります。
「犬ぞり」は北海道ならではの遊び。でも北海道に住んでいる私たちにとっても貴重な体験。この冬はそんな特別な遊びを十勝でしてみませんか?
住所:北海道河東郡鹿追町瓜幕西31線25
電話:080-3232-8119
営業時間:9:30~17:30
WEBサイト:mushingworks.com
Facebookページ:MUSHING WORKS SLED DOG TOURS
インスタグラム:@mushingworks/
YouTube:MUSHING WORKS SLED DOG TOURS