
貴重な道民の財産を守りたい。高橋さんはある装置を開発しました。
「ニュウハクシミはツルツルしたところを登れないので。下から登ろうとするとロッククライミングのように、反り立っているんですよね。資料にシミがアクセスできないようにしています」
住宅用の断熱材に、ペットボトルの底を4つ取り付けただけのシンプルなもの。
高橋さんは長年の研究で、ニュウハクシミがガラスやプラスチックなど、表面がツルツルしたものが苦手なことを突き止め、この装置を開発しました。
これを台にして、床と紙資料を離して保管することで、虫が上がって来られず食害を防ぐ仕組みです。
市販の安い材料で作ることで、全国の博物館でも取り入れやすくしました。
高橋さんは、この装置の開発で、若手研究者に贈られる科学賞を受賞。
害虫と戦う全国の施設で役立ててほしいと願っています。
「文書資料や紙資料というのはやはり1点ものですから、その時代、その地域にあった歴史、そういったものが奪われてしまう可能性につながってしまいます。それを防ぐことは学芸員としてきちんとやっていく価値が十分にあるのではないかと思っています」
ニュウハクシミは、もともと日本にいない外来種ですが、海外の博物館と資料のやり取りをしたときに、段ボール箱に紛れ込んで国内に侵入したとみられています。
1匹見つかると、根絶させるのは難しい10ミリメートルの虫。
身長178センチメートルの高橋学芸員がいま考えている撃退作戦は3つです。

わな
市販の虫取りわなと同じく、毒餌でおびき寄せる仕組みです。
東京の研究機関が、2025年から特製の虫取りわなを全国の博物館などに配布するなど対策を打っていますが、この虫がホイホイと引っかかるかはまだ研究段階です。
二酸化炭素
外部から持ち込まれた資料を密閉容器に入れて、炭酸ガス=二酸化炭素を注入し殺虫する、水際で防ぐ方法です。
ただ小さな虫なので、どこに潜んでいるか分からないのが問題を難しくしています。
冷やす
ニュウハクシミは気温が10℃以下になると死滅することが分かっています。
これは冬の北海道ではすぐにできそうな取り組みですが、高橋さんによると「館内を冷やして、再び温度を上げると結露してカビの原因になる」ため博物館での実現は難しいそうです。
多くの博物館は予算が厳しく、学芸員の熱意で支えられている部分が多いのが実情です。
施設や、財産の保存のあり方を考える必要がありそうです。
文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい
※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2026年2月11日)の情報に基づきます。
■ シマエナガを撮影して10年…「ベストショット5枚」を厳選 かわいいのに、手ごわいから沼が深い【北海道のかわいい動物たち】
パートナーメディア