2025.12.29
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ひとつ、あたしの大好きな短歌を、あなたに贈りたいと思います。
さようなら さようなら また会いましょう また別れたら また会いましょう (枡野浩一(2022)『枡野浩一全短歌集』左右社, p. 328)
「国指定天然記念物」さん。
あなたと、あなたの友だちについては、目下のところそれぞれの譲れない部分が、互いにとって良くないハレーションを起こしてしまっているかもしれません。
けれど、あたし思うの。
そのお互いの光が、今後人生の更なる変化を経験することで、また綺麗に重なって素敵な虹に変わることもあるかもしれない。
そう。人間は複雑で、ミステリアスで、面白い生き物です。
ひとたび離れてしまった人とも、ライフステージが進んでいくなかで、ひょんなきっかけでもう一度出会うことができる。
あなたはきっとその友人と、今回はたもとをわかつことになっても、また会うことができるはずって、あたしはそう思うのよ。この短歌が詠っているように。
もちろん、無理に出会い直す必要はありません。
どこまでも見るもの、大切にするものが異なってしまう相手というのはいます。
そういう人と、自分を殺してまで一緒にいる必要はない。
だけど、一度仲良くなった同士です。
きっとこれまでの思い出が、また2人を引き寄せてくれるんじゃないかしら。
きっとまた一日中爆笑しちゃうような、そんな素敵な時間が戻ってくるって、あなた信じてみてもいいんじゃないかしら。
「国指定天然記念物」さん、大丈夫、あなたは全然おかしくない。
そして大丈夫、あなたは何度でも、その友だちと出会い直せばいい。
そのためにまずは、これから歩んでいく人生という旅路を、存分に楽しんでください。
いろんな変化をして、いろんな成長をして、すてきな人間になっていこうじゃないのよ、あたしたち。
いつかまた、あなたがその友だちと手と手を取り合う瞬間が来ることを祈りつつ。
あたしの100本目のコラムを、人生を寿ぐひとつの讃歌として書き上げられたことを、「国指定天然記念物」さんに心から感謝しようと思います。
というわけで今回は、友情関係の問題と向き合いつつ、大きなテーマとしては人間の変化について考えてみました。
あたし自身もこのコラムを書くことを通じて、様々な種類のこころの旅を、相談者さんたちと一緒にさせてもらってきたのよね。
そこから得た実に多様な変化が、「今の自分」という存在を作ってくれているのだなぁと、この記念すべき回の執筆によってはっきりと認識させてもらえた気がするわ。
今までお手紙をくださった全ての方々に、改めて心から感謝を申し上げたいと思います。
これからも、いろんなテーマについて書き続けていきたいわ。
みなさんどうぞ、101回目以降の「満島てる子のお悩み相談ルーム」も、引き続き応援よろしくお願いいたしますね!
ではでは皆さん、また2026年にお会いしましょう。
どうか良いお年を!Sitakkeね〜!
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文:満島てる子
イラスト制作:VES
編集:Sitakke編集部あい
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満島てる子:オープンリーゲイの女装子。北海道大学文学研究科修了後、「7丁目のパウダールーム」の店長に。 2021年7月よりWEBマガジン「Sitakke」にて読者参加型のお悩み相談コラム【てる子のお悩み相談ルーム】を連載中。お悩みは随時募集しています。
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