2025.12.28
深める
こんな風に、割とひとつひとつにしっかりと時間をかけながら、これまでつむいできたお悩み相談コラム100本。
なのですが、最近は強力なライバルも登場。今やプライベートなことも含めて、なんでもChatGPTに気軽に相談する時代に。
自分のやっていることは、もしかしていつかニーズとしては無くなっていくのかなぁと、ごく稀にですが不安になったりすることも最近あったりします。
すごいですよね、ChatGPTって。
あたしも現在その使い方を勉強中なのですが、聞き方のコツさえ心得ておけば、何を聞いてもほしい情報や言葉を即座に与えてくれる。
お悩み相談となれば、相手に寄り添う姿勢だって見せ、解決方法までをも与えてくれる。
ChatGPTをこころの支えにしている人も、どうやら増えてきている様子。
応募フォームに投稿して取り上げられるかどうかを待つなんて手間も、あたしの連載を当てにするのと違ってかからないわけです。
でもずっと思ってるの。ChatGPTにはできなくてあたしにはできること、確実に1個あるなぁって。
それはね。
相談者さんと一緒に、自分たちにかけられた世の呪い(常識や偏見、ステレオタイプな考え方といった悩みの源泉)を言葉を使って書き換え、その身をもって共に乗り越えていくこと。
これをあたしは、これまで「あたしなりのアンサー」の部分を書くときに、連載開始の頃からとりわけ意識してきました。
そして、自分で言うのもなんなのですが、これがこの連載の特色とも言いうるのではないかなぁと、ずっとそう考えてきたんです。
ChatGPTは、傾聴し、共感し、必要な情報の開示であるとか、時には取るべき選択肢の提案も行ってくれます。
ですがChatGPTは、私たちのように"人生"を送っているわけではありません。
様々な制限のある身体を持ち、いつか終わりを迎える時間を歩み。
他者とのすれ違いや社会構造のひずみなどから生まれる、様々な煩悶や懊悩を味わったりなどは、AIはしません。
その点あたしはやっぱり人間なんだなぁと、この連載を担当していても感じます。
読者の方々と同じで、あたしにも人生がある。お手紙の内容と似たような煩悶や懊悩と直面し、それらを取り除こうと日々もがき、あがき続けている。
なんならお手紙との出会いが、あたし自身を悩ませることもある。
そして、生身でもってその悩みを味わっているからこそ。
経験を言葉に落とし込み、同じ悩みを抱える画面越しの相手に伝えることができる。
こころの中でではあるけれど、言語を通じて投稿者と手と手を取り合い、自分たちを苦しめる様々な縛りを一緒にほどいていくことができるように思うのです。
人間であることは、大変です。
当たり前とされている価値観や、身に染み込んだ習慣。理解できそうにない他者との避けられない繋がりなど、いろんな呪縛に振り回されてしまう。
だからこそ。
人間であることから生じてくる悩み。それらを受け止め、別のかたち(呪(のろ)いではなく、幸せをもたらす"呪(まじな)い")につむぎなおす役割を担う「人間」が、このAI全盛時代にもひとりぐらいいたっていいんじゃないか。
4年間書き重ねてきた、コラムという名の呪文たちを読み返すたび、あたしはそんなことを思ったりしています。
というわけで、少し手の内を明かすような感じになりながらですが、あたしの執筆の裏舞台を皆さんにお届けさせていただきました。どうだったかしら?
「相談乗る側のくせに、こいつこんなに悩んでるの!?」って思われちゃったかな?
でも、これからも。
皆さんのお悩みに、皆さんと一緒に頭を抱え続けながら。
人生をのらりくらりと乗り越えていくために、新しいコラムをまだまだ書き続けていきたい。
100本目を迎えるタイミングでもそんなことを考えている、一種強欲なあたし。笑
そんな満島の文章を、これからもどうぞ、愛していただければこれ幸いです。
次回はいよいよ100回目のお悩み。ではでは皆さん、コンゴトモヨロシク。
Sitakkeね〜!
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文:満島てる子
イラスト制作:VES
編集:Sitakke編集部あい
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満島てる子:オープンリーゲイの女装子。北海道大学文学研究科修了後、「7丁目のパウダールーム」の店長に。 2021年7月よりWEBマガジン「Sitakke」にて読者参加型のお悩み相談コラム【てる子のお悩み相談ルーム】を連載中。お悩みは随時募集しています。
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