
席に戻ると、周りにも子どもたちの姿がたくさん。
幼稚園くらいの子どもたちや、中には抱っこ紐に入った赤ちゃんまでいました。
幼稚園や保育園の先生が引率されて団体鑑賞に来ている年中さん、年長さんたちも!
毎年鑑賞しているという札幌あおば幼稚園にお話を聞くと「座っていられない子はいなくて、音楽に合わせて体を動かしたり、拍手をしたり、しっかり楽しんでいます」とのこと。
鑑賞後には、その思い出を絵に描いて主催者に毎年お届けしているそうです!
私が「おともだちも、みんなちゃんと座ってるね!えらいね~!」と声をかけると、負けず嫌いな娘は、しっかり席についてくれました。

開演前には、バレエ団の方からご挨拶とともに、こんな案内がありました。
「静かに聞いていなきゃいけないと思うかもしれませんが、素敵だと感じたときは、ぜひ『ブラボー!』と言って気持ちを伝えてくださいね」
「声を出してもいい」と言ってもらえるだけで、すっと心が軽くなったのは、私だけではないはず。
照明が落ちていくスピードも段階を分けてゆっくりで、主催者の方々の配慮を随所に感じました。
実際に演目が始まると、クリスマスパーティのにぎやかな雰囲気に、娘は自然と集中していきました。
ストーリーを見失わないよう、「クララがいるね!」「くるみ割り人形もらったね!」と、小さく声を掛けます。

周りの子どもたちも、ときどき声を出していましたが、オーケストラの音楽を妨げるほどではありません。 当初の案内通り、「ブラボー!」の声も飛び交います。
親としても、「これは順調な滑り出しかも」と、少し肩の力が抜けました。
前半パートは、席を立つことなく無事に鑑賞を終えることができました!
心配していたねずみたちの登場シーンも、くるみ割り人形たちの勝利から王子様の登場へと流れていき、娘の気持ちが大きく崩れることはなく一安心……。
——と思ったのも束の間。
ここで、痛恨のミスに気づきます。
休憩に入りロビーへ出ると、軽食を食べている子どもたちの姿が。
それを見た娘が、はっとしたように言いました。
「お腹、空いた……」
席に座っていられるかどうかばかりを気にしていた私は、休憩時間の“食料補給”のことを、すっかり忘れていたのです。
おやつや軽食の準備をしていないという、痛恨のミス……。
「ごめん、食べ物持ってきてなかった!終わったら、好きなお菓子を買いに行こうね」
そう言ってなんとか娘をなだめ、後半に備えて休憩を終えました。

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