2025.12.13

食べる

クマ肉は実はクセがない…余すことなくフレンチで「負担」を可能性に変えるための課題も

フレンチのクマ肉はどんな味?

前回の記事では北海道でヒグマの出没が増えると同時駆除されたクマが増えて地域の「負担」となっている現状をお伝えしました。
そんな中、食材としての可能性を追求する料理人もいます。

札幌市西区にあるフレンチレストラン『レ・カネキヨ』では、5年ほど前からヒグマ料理を提供しています。
シェフの藤本清さんは「命を奪ったものを人間の糧にできたら」と話します。

「せっかくなら私たちの技術でおいしくして、お客さんに食べてもらうのが一番だと思っています」

藤本シェフは、美瑛町や上富良野町などで捕獲されたヒグマの肉をハンターから直接仕入れ、ヒグマ特有の香りをハーブで抑えるなど、フレンチの技法を用いて調理しています。

「ヒグマは切った感触が違います。筋肉の繊維が強いのか、噛み応えのあるお肉です」

ヒグマのモモ肉のロースト ※ディナーコースのみ 要予約

お店では骨や筋などを使ったコンソメスープなども提供し、余すことなく調理しています。

ヒグマのコンソメ ※ディナーコースのみ 要予約

実際に料理を試食したHBCの貴田岡結衣記者は「思ったよりクセがなく、食べやすい味。噛み応えはありますが柔らかい食感です。おいしいです」と話していました。

藤本シェフはヒグマについて「どうしてもイメージからクセの強さを想像されると思いますが、私はジビエの中でもクセが少ないお肉だと思っています。北海道を代表する食材になれるのではないでしょうか」と話します。

ただ、シェフによれば、ヒグマはシカほど個体数が少なく捕獲も命がけのため、流通は高いハードルが残されているといいます。

また新鮮な肉を仕入れるには捕獲から12時間以内の処理が必要で、スピード感が重要になります。

ヒグマの冬眠

酪農学園大学の佐藤喜和教授によれば、ことしは山で餌が取れないことから、クマたちは餌を求めて市街地の畑や公園に出没していましたが、市街地にも雪が積もって餌が取れなくなってくるので、12月上旬ごろまでには冬眠に入った個体が多いのではないかということです。

駆除された命を無駄にしないためにも、有効活用の取り組みが広がることが期待されます。

文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2025年11月21日)の情報に基づきます。

HBC報道部

毎日の取材で「気になるニュース」や「見過ごせない事案」を、記者が自分の目線で深掘り取材し、「ニュース特集」や「ドキュメンタリー」を作っています。また、今日ドキッ!の人気コーナー「もうひとホリ」「もんすけ調査隊」も制作しています。最近は放送にとどまらず、デジタル記事、ドキュメンタリー映画、書籍など、多くのメディアで展開して、できるだけたくさんの人に見てもらえるよう心掛けています。北海道で最初に誕生した民間放送の報道部です。

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