2025.12.13
ゆるむシマエナガは、静かにしていれば、あまり人間の存在を気にしません。
しかしながら、後ろから追いかけ続けてしまうと、移動のスピードをアップして、すぐに遠くまで行ってしまいます。
ここからはやや、上級テクなのですが、シマエナガの「行く先を読んで、先回りして待つ」のです。
「群れがこのまま進んでいくと、あの低い木のあたりを通るはず」などと見当をつけたら、シマエナガの群れを追い越して、その場所で、しゃがんで、シマエナガの群れがやって来るのを待つのです。
上手く予想が当たれば、群れが、自分の方に向かって(しかも全員がこちらを見て!)どんどん飛んで、集まって来ます。
すぐそばにシマエナガの群れが来ると、もう、どのシマエナガを見て良いのかもわからずにパニック気味になってしまうほど、「キーキーキー」「ジュル、ジュル」といったシマエナガの鳴き声を、まるでシャワーのように浴びることができます。
1メートルちょっとくらいのところにシマエナガが降りて来て、バッチリと目と目が合うことも!
こうなると、望遠レンズをつけたカメラだと、近すぎてピントが合わないなんてこともしばしば。
シマエナガウォッチャーにとっては、まさに至福のときです。
この状態を、「シマエナガ祭り」とも呼んでいます。
余談ですが、シマエナガのシャワーを、運良く、1日に3〜4回浴びてしまった日などは、家に帰ってきて、夜になって布団に入っても、耳の中にシマエナガの鳴き声がこだまして眠れない…なんてことも起こります(← これは、私だけかも…笑)。

シマエナガは、1周するのに、1時間〜1時間30分くらいの、決まったルートを動くことが多いです。
なので、決まった場所に、朝の決まった時間に出かけると、シマエナガの行動パターンがだんだんわかってきます。
たとえば、朝8時くらいに、公園の、山に近い「この場所」で待っていると、群れがやって来て、こっちに向かって移動するはず…なんてわかってくると、先回りして待ち構えることも、割と簡単になります。
そして、「この種類の木には、わりと長い時間滞在する」とか、「この場所では、長い時間滞在するのだけれど、なかなか下の方に降りてこない」とか、シマエナガの特性がわかってくると、一気に、かわいらしいシマエナガと出会う可能性は上がりますし、カメラがお好きな方は、ステキなシマエナガのお写真を撮れるようになります。
シマエナガは、エサを求めて移動しているので、虫がたくさんいる場所では滞在時間が長くなりますし、逆に、虫がいない場所は素通りです。

冬ならば、ねらい目としてわかりやすい一例は「カラマツの木」とか。
冬芽の、つけ根のあたりに、虫がいるのだと思うのですが、チョウやミツバチが、蜜を吸いながら、花から花へと移動するようにして、枝から枝を飛び回って、虫をついばむので、比較的長い時間、滞在することが多いです。
ただ、手前に枝があったりして、なかなかハッキリと、その姿を見ることができない場合も多いのですが…。
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