2025.11.27
深める
「ヤングコーン」。
放送局の枠を越えた北海道の“食”を深掘る、HBCの「いっちゃんおいしいプロジェクト」でも2年前から注目してきました。
私の元々のイメージではヤングコーンといえばホテルのビュッフェのサラダコーナーに並んでいたり、缶詰で水煮になっていたり…。
実は「ヤングコーン」という品種の別の野菜があると思っていました…お恥ずかしい。
でも実はその名の通り、トウモロコシが育ち切る前に収穫された「ヤング」な「コーン」なんですよね。

トウモロコシの生産量日本一の北海道では、それだけたくさんのヤングコーンもできる、ということ。
ただ、ヤングコーンも放っておいたら勝手にできるわけではありません。
収穫をする手間だけでなく、出荷する手間もかかります。
本来の1番キビの作業だけでもこんなに大変なのに、間引かれたヤングコーンまで…手が回らない部分があるのが実状。そのため、農家さんによってはすべてを採りきることが不可能なところも多くあるのです。
師匠の滝農園でも、2番キビ・3番キビは本来は廃棄されてしまいますが…
成長する前に収穫したものを、自宅などでヤングコーンとして食べているのだそうです。

でも、とってもおいしかったしろみつとろきびの「ヤングコーン」がおいしくないわけがありません!
しかも、師匠のヤングコーンはまったく「ヤング」ではなく、立派!
大きくて、そしてしっかり甘みを感じます。
缶詰の水煮とはまったくちがう、トウモロコシの香りに歯ごたえも…本当においしい!
このヤングコーンも、多くの人に届いて、おいしさに気づいてもらって価値があがって、流通がしっかりとできあがれば、きっと北海道の魅力をもっと高めてくれる存在になるのではないでしょうか。

幼い頃からお父さんのお手伝いをしていた師匠が、滝農園を継いだワケを聞いてみました。
「農家以外考えなかった」
師匠は一言、そう教えてくれました。
しかし、師匠のお父さんである大師匠は、うれしかった!わけではなかったそうです。
「内心継がないでほしいっていう気持ちもあった」と教えてくれました。
その心は…「大変だから」です。
ただ、継ぎたいと言った師匠の気持ちを大師匠はとても大切にしています。
「自分は死ぬまで仕事をする決心をしているから、ずっと息子を手伝うつもりでいる」
その目はとても優しくて、この味を継いでいく師匠のことを、頼もしくうれしく思っている気持ちが伝わってきました。
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