2025.12.03
食べる
父 紘一さん:「佳子は全然甘いもの食べなかった。いつも、かっぱえびせんのようなしょっぱいお菓子しか食べてなかった」

佳子さん:「あんまり得意じゃない。苦手で、小さいときから見飽きているので、自分の店のお菓子はあんまり食べることはなかった」
では、なぜナカヤを継ぐことに…?
佳子さん:「ただ、本当に究極に食べられなくなると思ったときは『それは違うな』と思った。朝から晩まで作っている姿を見ているので…」
高校3年生のときに、お菓子の道に進むことを決意し、専門学校や旭川の洋菓子店で修業!
外で身に着けた技術を引っ提げて、父と一緒にナカヤで働き始めます!しかし…

佳子さん:「ケンカはあります。せっかく修行して覚えてきたので、それを実践するとダメ出しされたり。職人同士のぶつかり合いはある」

衝突もしながらの親子での営業。

当時はカスタードが人気で、店の人気商品もふわふわのスポンジにカスタード包んだ「よもの月」。
そんななか、佳子さんは全く毛色の違う、アップルパイを新商品として売り出そうとしていました。

佳子さん:「あらゆるところが手作り。生地を仕込む工程から、りんごを煮るところから、包むところから…」
佳子さんが初めて作ったアップルパイを父の紘一さんはどう思ったのでしょうか…。
父 紘一さん:「いいなとは思ったけど…一回りんごを煮たら、全部煮汁を捨てていた。1回1回、また新しい砂糖を入れて煮て、黄色いりんごを並べてってやっていた。それよりも、もっと煮込んで、前に出た煮汁も一緒に加えて濃くした方がいいんじゃないかと」

父のアドバイスをもとに、りんごは、約10年前から継ぎ足して使用しているリンゴの煮汁で煮詰めるように…
その後も親子で改良を重ね、ナカヤの看板商品となっていきました。

佳子さん:「焼きたての時間をかなり意識している。できれば、窯から出たその瞬間を食べてもらいたい。それが難しい場合でも、お客さんに渡す時間を気にしながら、常にできたて、サクサクですね」

東京から:「あったかい…まだ温かいです。おいしー!パイが軽いのかな」

神奈川から:「作られた甘さじゃなくてりんご本来の甘さと酸味が感じられておいしい」

名寄から:「きのう、おとといも来ました。お土産で。きょうもお土産で買って帰る」
番済スタッフ:「3日連続?」
名寄から:「そうですね。みんな好きなので」

5年ほど前に、紘一さんは引退。
佳子さんも2人の子供に恵まれ、今は夫婦二人三脚で店を守り続けています。
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