2025.10.02

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「私、これをやりたい!」大好きな山で行商…お菓子売り“てくてくさん”誕生のひらめき【山々インタビュー#1】

私、これをやりたい!

Nobuhiko Tanabe 「山で背負子をかついでクッキーを売る」なんてインパクト大ですよね…

カフェを開くつもりで試作していたお菓子たち。
どこかで売りたいけれど、無名の自分が作ったものを買ってもらうにはどうしたらいいのか。

「誰もやっていないインパクトのある発信方法がないかなと頭をひねらせました」

そして注目したのが、コロナ禍の当時、屋外で活動する人が増えていたこと。

「最初はファミリーで訪れるような大きな公園で販売することなんかも考えたんですけど、ちょっと待てよ…って。山で売ればいいかなって」

そんなアイデアが生まれたときは「これだ!私、これをやりたい!」と心が踊ったといいます。

山で行商ってどうやるんだろう?前例のないことの模索

Nobuhiko Tanabe

そこからは、山でお菓子を販売する方法を模索し始めました。

「そもそも、どんな許可がいるかがわからない。『山でお菓子を売るには?』と検索してもヒットしなくて(笑)」

工房や保健所の許可や菓子製造業の許可。

お菓子を販売するための必要なことからひとつひとつ調べ、山に関わっている行政、森林管理署や市町村などに片っ端から「山でお菓子を販売したい」と連絡をしていきました。

でも相談された側も、ほとんどが初めての経験。

「規制があるわけじゃないけど、前例のないことに『どうぞ』と言えない」

断られることが続きながら、交渉を続けていたところ、小樽市からはじめて行商の許可をもらうことができました。

そうして初めて行商を行ったのが、小樽市にある「塩谷丸山」。
私も大好き!年に何度も登るホームマウンテンが、てくてくさんの行商の原点だったんですね…!

SNSで1か月ほど前から発信し、、60個ほどのお菓子を初めて売ることができました。

広まっていく「てくてくさん」の行商

Nobuhiko Tanabe

一度「行商を実際にした」という実績ができると、あとはほかの自治体でも続々と許可を取りやすくなり、「てくてく」としての活動が広がっていきました。

「最初はSNSで告知をしていてもフォロワーは100人程度。だけど山で出会ったみなさんが撮ってくれる写真がどんどんSNSで広まって、徐々に認知度があがっていきました」

今ではほぼ毎週末、道内各地を飛び回り、山で行商をしています。

背負子を背負って、きょうもどこかの山へ…。

そこで出会ったたくさんの人のなかで特に印象に残っている女の子がいたのだそう。
かわいさあふれるエピソードもたっぷり聞きました。
次回、お伝えします!

■記事内写真提供協力:田辺 信彦さん
東京都出身。2024年から北海道道北中川町を拠点とするフォトグラファー/ビデオグラファーそしてDJ。
写真というアートフォーマットに魅せられ自転車を中心としたあらゆるスポーツ、音楽などの中心に宿るカルチャーを美しく切り取る。
ヨーロッパの自転車競技「シクロクロス」に魅せられ、それを切り取った写真集プロジェクト「CROSS IS HERE」を進行中。
また現在は北海道内の山々でお菓子を売る、山でしか買えないお菓子屋さん「お菓子売りのてくてく」の活動を追いかけるドキュメンタリー作品の製作も行っている。
Instagram : @nobuhikotanabe

連載「堀内美里の言いたいことは山々ですが

※北海道の山に登るときは、クマについても知っておきましょう。「クマに出会ったら」「出会わないためには」の基本の知恵は、HBCのサイト「クマここ」で、専門家監修のもとまとめています。

文:HBCアナウンサー・堀内美里(ほりうち・みさと)
北海道生まれ・北海道育ち。2021年入社。HBCテレビでは「グッチーな!」「ジンギス談」「吉田類 北海道ぶらり街めぐり」「大江裕の北海道湯るり旅」などを担当。登山歴4年。おいしくごはんを食べるために山に登っています。登山の魅力はインスタグラムでも発信中

編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は取材時(2025年8月)の情報に基づきます。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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