2025.08.31
深める要救助者の居場所は、通報時に知らされた緯度・経度で把握しており、分岐点の度に現在地を確認しながら進んでいきます。
山岳救助隊では、スマートフォンと無線機を使って位置を確認していました。
私たちが持っているスマートフォンでも、マップやコンパスなどのアプリを開けば緯度と経度が確認できます。
いざという時のために普段から見方を確認しておくこと、そして登山のときには充電できるグッズも持っていくことをおすすめしていました。
そして30分ほど歩くと…
倒れて、身動きが取れない登山者を発見しました。
迅速に駆け寄り、声をかけたり体に触れたりして容態を確認します。
頭痛とめまいがあるということなので、熱中症の疑い。
体を冷やすグッズや、耳に装着できる体温計などを使い、応急処置を進めます。
熱中症の場合は、経口補水液を2リットルほど飲んでもらうそう(それもあの重い荷物に入っているのです)。
日陰を作ったり、うちわ(雨具にストックを通してその場で製作したもの!)で仰いだりしながら、水分を摂取させていました。
その間に別の隊員がタンカを組み立てます。
準備ができ次第、救助者をタンカに載せて、ヘリコプターで搬送するためのポイントまで運びます。
頭側・足側・左右に一人ずつの計4人で運ぶのですが、ガレ場や茂みをかき分けながらバランスをとって歩くのがなかなか難しい…。
自分の足元が確認しづらいのもかなり怖かったです。
たった30分程度なのに腕がつりそうになり、次の日は筋肉痛にもなりました。
隊員の方に聞いたところ、ヘリコプターでの搬送が難しい場合などにはこの徒歩での搬送が10時間を超えることもあるそうです!
その間も「痛いところありませんか?」「もうすぐですよ」と、声をかけ続けるんですって…!
体力・チームワーク・優しさ・鍛錬…色んなものが備わっていないと、この仕事はできないなと感じました。
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