2025.08.01
ゆるむ数多くの「絶景」を持つ北海道。
観光情報にはなかなか載っていない、「日常の絶景」も多くあります。
今回は、HBC帯広放送局のカメラマン・大内孝哉さんが撮影した「幻の橋」・タウシュベツ川橋梁の風景をお届けします。
いつかは消える儚い美しさが、人々を惹きつけるのかもしれません。
北海道・十勝の上士幌町。糠平湖に浮かぶようにたたずむ「タウシュベツ川橋梁」は、水位の変化で見え隠れすることから「幻の橋」とも呼ばれています。
全長130メートル、11連のアーチが連なります。
1938年から1955年まで旧国鉄士幌線として活躍し、戦時中には軍需用の木材輸送としても使われました。
「高い位置でぐるっと回ると、山がきれいです。山と一緒に写真が撮れます」と案内していたのは、アウトドアガイドの上村潤也さん。
1日2回のツアーを行い、橋には毎日のように足を運ぶといいます。
「12年間、タウシュベツをガイドするようになって、間違いなく誰よりも私が来ている」
大阪出身の上村さんは、東京の大学を卒業後にIT商社へ就職。
今の生活とは対照的に、かつては都会で数字に追われる日々を送っていました。
「日付が変わるのは当たり前。毎日家に帰ってくるのは午前0時すぎ。日々数字に追われながら、1円でも上げる。そのためにどうするかという日々が続いた」
転勤で札幌や帯広で過ごす中、北海道の雄大な自然に魅せられます。
「北海道に残りたい。どんどんそんな思いが強くなって、東京に異動と言われたとき『北海道に残ろう』と決心がついて、会社を辞めた」
上村さんの心を強く惹きとめたのは、この橋でした。
「日常ではあるけども、毎日見ていても新鮮で飽きない」
橋はもう一つの大切な縁を繋げました。
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