
栽培を初めて2年目となる今年。現在はのちに房をもつ枝を強く育てるための管理がメイン。他に病気を防ぐための防除作業や獣害を防ぐための対策を講じる。「このあたりは野うさぎも出てきて枝を苗木を食べちゃったりするんです」(健治さん)

「この街で育てるワインだから、函館の海産物と一緒においしく飲めるものにしたいですね。函館の食のポテンシャルの高さは折紙付きなので、それにしっかりとマッチするような地域性のあるワインに育ててみなさんに飲んでほしいです」(ゆかりさん)
植栽面積1ヘクタールの畑に植えられた1500本の苗木。今春にはさらに500本を植える予定だ。育てているのはピノ・ノワールとシャルドネの2種。収穫できるまではあと4〜5年かかる。準備期間も含めると、長い長い挑戦だ。時間も足りなければ、体力も削られる。もちろん栽培にかかる費用もかさむ。それでも、ふたりは自分たちの挑戦を日々とことん楽しんでいる。



2024年5月に行われた植樹祭には2日間で120名以上の人が集まった。「植樹祭の前後にも、私たちの挑戦を知るお客様や友人が草むしりを手伝いにきてくれたり、獣害を防ぐ方法を一緒に考えてくれたりと本当にありがたいです」(ゆかりさん)。周囲の人々は、鶴見夫妻の挑戦の行方を楽しみにしながら見守っている。
【エチケットコレクター/鶴見ヴィンヤード】
函館市桔梗町588-1
Instagram @etiquette_collector
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Peeps hakodate vol,136 「特集 挑む人たち。」より
peeps hakodate
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