2025.05.17

みがく

「有給という概念が存在しない」芸妓になって、できなくなったこと3選【さっぽろ芸妓日記vol.22】

芸妓になって、できなくなったこと②爪のお洒落ができない

三味線のお稽古があるので、爪は常にギリギリまで短く切った状態にしておきます。

お仕事があるときは禁止ですが、爪に色があると気分が上がるので、連休になると自分でマニキュアを塗って束の間のお洒落を楽しんだりしていますよ。(すぐ落とすことになるんですけどね…。)

三味線の発表会にて。向かって左がこと代、隣は地方の三子姐さんです。

芸妓になって、できなくなったこと③有給申請ができなくなった!

私たちは“個人事業主”なので、福利厚生が一切ありません。ですので有給という概念が存在しないのです。

旅行が趣味だった社会人時代は、お休みをとって息抜きをしに行く!みたいなことをよくやっていたのですが、この世界に入ってからはそれが簡単にできなくなりました。

約9年前の留学時代、ドイツ旅行中のわたし。ヘアスタイルもファッションも思いっきり楽しんでいました

入門してから初めの3年くらいまでは、さっぽろ芸妓育成振興会で育成していただいてる身でもありますので、昼間はお稽古、夜はお座敷という日々をただひたすらこなします。

ゴールデンウィークやお盆、お正月などは暦通り休みではありますが、お稽古やお座敷が突発的に入ったりするので油断はできません。

どうしても…!というときは、前もってお母さんやお姐さんにお許しをしっかりいただいてからお休みを頂戴することになっています。(これがまた毎度緊張するんですよね…笑)

個人的には以前留学していたアイルランドにまた遊びに行くのが夢です。
楽しく遊ぶためにも、しっかり働かねば。ですね!

前回の記事でご紹介した通り、「芸妓」という職業は様々な規制はありますが、それ以上に楽しいことの多い魅力的なお仕事です。

これからもその魅力を発信し続けていきますので、お付き合いのほどどうぞ宜しくお願いいたします!

***

連載「さっぽろ芸妓日記

文:さっぽろ名妓連 こと代
編集:Sitakke編集部IKU

<「こと代」プロフィール>
札幌生まれ、札幌育ち。2018年にお披露目して以降、現在も最北の花柳界「さっぽろ 名妓連」で芸妓として活動中。開拓期から続く北海道の花柳界文化をたくさんの方に 知っていただくべく日々奮闘中。飼い猫達と遊ぶことが日々の癒し。

※掲載の内容は記事執筆時(2025年5月)の情報に基づきます

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

この記事のキーワードはこちら

SNSでシェアする

  • X
  • facebook
  • line

編集部ひと押し

あなたへおすすめ

エリアで記事を探す

FOLLOW US

  • X