2024.12.25
深めるさて、ケロツ〜さん。
自分はね、あなたと同じようなマインドの持ち主だし、なんならモヤモヤをバッサリ解決できるかというと、そういうタイプではないかもしれない。
でも、あなたのために2024年ラストのこのコラム、これからに光を与えられるような内容を届けられるよう、あたしなりの内容を綴ってみることにするわね。
では、です。
唐突かもしれませんが、ケロツ〜さんにはまず、こんな曲を贈りたいと思います。
こちらは、日本でも来年2025年に上映開始が決定した、ブロードウェイミュージカル『ウィキッド』の挿入歌。
有名なファンタジー『オズの魔法使い』の"裏側"を描くこの歌劇。
アリアナ・グランデと、シンシア・エリヴォという、強力なキャストでの映画化を、今から楽しみにしているという人も多いのではないでしょうか。
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物語は、ドロシーがオズの世界にやってくるよりも昔。
南の"善い"魔女と西の"悪い(wicked)"魔女の出会いから、すべてがはじまります。
美しい金髪が特徴的な、明るく優しい人気者、平和主義者のグリンダ(アリアナ・グランデ)。
生まれつき緑の肌、人から愛されることをこころの底では求めている、正義感の強い孤高の天才エルファバ(シンシア・エリヴォ)。
彼らは、オズの国の大学に同期として入学、なんとルームメイトに。最初は馬の合わなかった2人ですが、時間を共に過ごすにつれて、唯一無二の大親友となっていきます。
しかし、とある人物の思惑をめぐって、グリンダとエルファバの仲に亀裂が。
彼らは運命に翻弄されながらも、自分たちなりの道を歩んで行こうとするのですが……?
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歴史とは何か。差別は何から生まれており、それにどう戦わなければならないのか。
そうしたテーマにも問題提起を行いながら、主題である「友情」についてたくさんのことを教えてくれるこの作品。
そのハイライトとも言えるシーンで歌われるのが、ここで紹介したDefining Gravityです。
主人公2人の喧嘩からはじまり、どんどんと激しくなっていく曲調が特徴的な一曲。
タイトルとなっているGravityが、このシーンで空を飛んでいくエルファバが"重力"に抗っていることと、これから彼女が社会的な"重圧"と戦っていくことの、2つの意味を担っていることも心に突き刺さるのですが。
そうした点もさることながら、あたしがグッとくるのはその歌詞なのよね。
実は、この歌の要所要所でグリンダとエルファバがどちらも口にしているのは、結局通底して相手の「幸せ(Happy)」を願うことなのです。
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(4:39〜4:55、2人で一緒に)
結局ね、あなたには幸せでいてほしいの……!
友よ、どうか幸せでいてね。
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そう、あたしね。この曲を聴きながら思ったの。
ケロツ〜さんもあたしも、これからやるべきことはまさにこれ。
友の幸せを、友としてしっかり願うことなんじゃないかって。
自分以外の誰かと一緒でも。自分のいないところで生きていたとしても。
その人はその人、友達は「友達」です。
相手に幸せでいてほしいと本気で思うのなら、相手の行動や決断を全面的に応援し、その人のことをこころから信じる。おのれの虚無に引きずり込もうとするのではなく、相手の充実を讃えられるようになっていく。
ケロツ〜さん、あたしたちに必要なのは、そうした方向性に自分をマインドリセットすることなんじゃないかしら。
「用無しなのかな?」という気持ちは、そう簡単に消えないかもしれない。あたしも自分自身について、そんな予感がしてます。
でも、そうだったとしても。
「いや違う。この人が楽しくそして幸せに過ごせているのなら、それでいいんだ。素敵な人たちを繋げたおのれの選択は、間違っていなかったんだ」と、自分自身に言い聞かせていくこと。
それがケロツ〜さんのことを、なんならあなたとその親友さん2人のことを、明るい方へと導いてくれるはず。そこから、素敵な未来が見えてくるはず。
不安になるときもあるかもしれない。そんなときは、紹介したDefining Gravity、ぜひ聴いてみてください。
グリンダとエルファバの掛け合いが、あなたのこころを勇気づけてくれるだろうから。
ケロツ〜さんとその友達の仲が、永遠に(『ウィキッド』風に言うならfor goodに)続くよう祈りつつ。
あたし自身も周りの人ともっと素敵な関係性を築けるよう、あなたと同じように、幸せに向かって歩んでいこうと思います!お互いファイトだよん!
というわけで今回は、誰かとの友情について、自分の大好きなミュージカルを援用しながら綴らせていただきました。
年の瀬、人との関わり方について考える機会も少なくないはず。
そんなときに読者の方々にとって、このコラムが思考を巡らすためのいい一つの材料になっていればと願っています。
さて、今年のお悩み相談ルームは、これにて閉店。2024年も皆さんありがとうございました!
来年もいろんなお悩みと向き合って、たくさんの言葉を紡げるといいなぁ。
これからも、どうか末長くよろしく。
ではではよいお年を。Sitakkeね〜!
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■番組名 「ひとりの夜にあなたとあたしのしたっけラジオ」
■放送日時 毎週日曜日 午後7時30分~8時00分 ※初回放送:2024年10月6日(日)
■出演 満島てる子、HBCアナウンサー・森結有花
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文:満島てる子
イラスト制作:VES
編集:Sitakke編集部 ナベ子
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満島てる子:オープンリーゲイの女装子。北海道大学文学研究科修了後、「7丁目のパウダールーム」の店長に。 2021年7月よりWEBマガジン「Sitakke」にて読者参加型のお悩み相談コラム【てる子のお悩み相談ルーム】を連載中。お悩みは随時募集しています。