2024.12.29
みがく札幌で芸妓をしております、「こと代」と申します。
「芸妓」といえば、京都のイメージが強いと思います。しかし北海道にも開拓期から道 内各地に花柳界がございました。現在は札幌のみになってしまいましたが、「さっぽろ 名妓連」には12名の芸者衆が所属し、毎日お稽古、お座敷などで活動しております。
連載「さっぽろ芸妓日記」では、札幌の花柳界の歴史や 文化などをご紹介していきたいと思います。お付き合いのほど、どうぞ宜しくお願いい たします 。
これまでの連載でも何度か触れてきましたが、やはり「日本髪」に関する質問をいただくことが多いように感じます。今回は私たちの髪型の秘密をこっそりお教えしま すね!
基本的に、私たちは一人一台かつらを持っています。
(私の場合は、男役用のかつらを 含めると二台になります)
かつらは、それぞれの頭の形に合わせて職人さんに作っていただく、いわゆる【完全オーダーメイド】。しかも北海道にはかつら屋さんがないので、東京の職人さんにわざ わざ札幌までお越しいただいたり、時にはこちらから出向いて頭の型をとっていただく こともあります。
頭の形はひとそれぞれなので、ぴったり自分に合ったものでないと長時間か ぶっているのが本当に大変なのです。
こちらは、男役のかつら。東京のかつら屋さんで作っていただきました。私の”相棒”です。
最初は下地の作り方(髪をネットや羽二重でまとめること)や、被り方も教わります。髪の毛もあまりにも長すぎるとかつらが入らなくなるので、かつらを作った時の髪の長 さ、量をキープし続けないといけないのです。