2024.11.16

みがく

私たち札幌の芸妓による「札幌をどり2024」が大盛況で幕!舞台裏をレポート|さっぽろ芸妓日記vol.16

    札幌で芸妓をしております、「こと代」と申します。
    「芸妓」といえば京都のイメージが強いかもしれませんが、実は北海道にも開拓期から道内各地に花柳界がありました。現在は札幌のみで、「さっぽろ名妓連」に12名の芸者が所属し、日々、お稽古やお座敷で活動をしています。

    連載 さっぽろ芸妓日記では、札幌の花柳界の歴史や文化などをご紹介していきたいと思います。お付き合いのほど、どうぞ宜しくお願いい たします!

    今回のテーマ 「第2回札幌をどり」レポ

    先日、「札幌をどり(※)」が無事に終了しました!(2024年11月9日開催)

    ※「札幌をどり」とは…普段は少々閉ざされた世界である“花柳界“ですが、幅広いお客様に私たちの日頃のお稽古の成果をご覧いただく機会を、ということで設けた、札幌芸者衆の踊りの会です。

    昨年の初演に続き、今年で二回目。今回もたくさんのお客様に足をお運びいただき 感謝の気持ちでいっぱいです。
    お写真とともに、振り返っていこうと思います。

    今年の会場は札幌市教育文化会館です。去年より広くて緊張しました…。

    私は今回初めて、「立役(男役)」として出演させていただきました。
    演目は長唄「五郎時致(ごろうときむね)」。お座敷では普段から立役を務めることが 多いのですが、このような大きな舞台でひとりで踊るのは初めて。1年ほど前から、藤間流のお師匠さんにお稽古をつけていただきました。

    五郎役の衣装について。今回、このお衣装は「松竹衣装」さんが新しく作ってくださったとのこと。初めて袖を通させていただき、大変恐縮でした…!お化粧も、職人さんの技でキリッと凛々しくしていただきました!

    お舞台に出演となると、東京から衣装屋さん、顔師さん(お化粧)、床山さん(日本髪 かつら屋さん)にお越しいただき、プロにお仕度をしていただきます。
    普段のお座敷では自分たちでするので、これがまたなんとも贅沢な時間で…。合間 にはお化粧のコツなんかも教えていただいちゃいました。

    後輩のふみ代ちゃんと、立方(踊りを専門とする芸妓)のお控室にて。ふみ代ちゃんはお姐さん達と「菖蒲浴衣」 という演目を踊りました。きれいだったな~。

    出番前に、「地方」さん(三味線やお唄を専門とする芸妓)にご挨拶をする、”チーム菖蒲浴衣”。
    お舞台ならではのマナーや礼儀作法をお勉強させていただけたのもとても嬉しかった です。

    今回は、京都の「祇園甲部」さんや東京の「赤坂」さんなど、他の花街からも芸妓さん、舞妓さんが賛助出演くださり、とても華やかな会となりました。

    ご覧いただいた皆様に、少しでも和の雰囲気をお楽しみいただけましたら幸いです。

    フィナーレでは私も女役にもどり、札幌芸者衆の定番ソング「札幌小唄」と、どの花街 でも踊られている「さわぎ」を踊って終演。

    今年はひと公演のみでしたので、なんだか ばたばたーっとあっという間に終わってしまいました。
    まだまだ始まったばかりの「札幌をどり」。私たちも試行錯誤をしながらの開催になっ ていくと思いますが、この先も長く続けていけるように頑張ります!

    【動画】こと代・ゲスト回「したっけラジオ」(2024年10月27日OA)

    ■HBCラジオ『ひとりの夜にあなたとあたしの したっけラジオ』
    ■毎週日曜日 午後7時半〜8時
    ■出演 満島てる子、HBCアナウンサー・森結有花

    ***
    連載 さっぽろ芸妓日記
    文:さっぽろ名妓連 こと代
    編集:ナベ子(Sitakke編集部)

    <「こと代」プロフィール>
    札幌生まれ、札幌育ち。2018年にお披露目して以降、現在も最北の花柳界「さっぽろ 名妓連」で芸妓として活動中。開拓期から続く北海道の花柳界文化をたくさんの方に 知っていただくべく日々奮闘中。飼い猫達と遊ぶことが日々の癒し。

    Sitakke編集部

    Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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