2024.11.08
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最新の国勢調査で示された、北海道内で人口が減っている市町村の数です。
地域経済や少子化をどう立て直していくのか、閉校が決まった小学校を通し、地域のいまをみつめます。
北海道後志地方の喜茂別町の中心部から、車で10分ほどの場所にある鈴川地区。
人口117人の集落です。
小さなこの集落の中で、大きな平屋建ての校舎が目を引く鈴川小学校は、地域のランドマーク。
この中で、学芸会のリハーサルが行われていました。
在校生は2年生1人、4年生1人、5年生2人、6年生1人の5人。
みんな家族のように仲良しです。
学芸会では、子どもたちの力だけで伝承してきた和太鼓のほか、総合の時間に学んできた116年にわたる小学校の歴史を振り返る劇にも挑戦します。
5、6年生の担任の松本里和先生は、札幌の出身。「鈴川小が寺子屋でスタートするところから平成の100周年くらいまでを、学校が妖精になって子どもたちの発表を聞く舞台」と笑顔で教えてくれました。
練習のときから子どもたちも先生も、みんなおそろいのTシャツ姿。
胸元には「SUZUKAWA」の文字があって、鈴川小の校章もプリントされています。
「校長の権限でいたずらしちゃった」と、田中豊校長ははにかみます。
そんな思い入れいっぱいの学芸会。
でも実は、学芸会自体が今回で最後…。学校が2025年3月に閉校するからです。
6年生の加藤愛己さんは、「残念ではあるけど一緒に卒業できるのはうれしい気持ち」と鈴川小最後の卒業生としての気持ちを答えます。
校内には、5年生以下の児童が来年から通う喜茂別小学校の仲間の写真が貼られています。
「みんなの名前を覚えられたりできるように」そう言いながら写真を見つめる5年生の工藤瞳子さん。
喜茂別小学校には、いまも1か月に1回ほど訪れていて、みんなで一緒に授業を受けています。
習い事が一緒の子もいて、昔からの友だちもいるんだとか。それでも…
「楽しみなのもあるけど、ちょっと寂しい」
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