2024.11.07
みがく札幌で芸妓をしております、「こと代」と申します。
「芸妓」といえば京都のイメージが強いかもしれませんが、実は北海道にも開拓期から道内各地に花柳界がありました。現在は札幌のみで、「さっぽろ名妓連」に12名の芸者が所属し、日々、お稽古やお座敷で活動をしています。
連載 さっぽろ芸妓日記では、札幌の花柳界の歴史や文化などをご紹介していきたいと思います。お付き合いのほど、どうぞ宜しくお願いい たします!
私は、この世界に入門するまで、お着物はほとんど着たことがありませんでした。
(高校、大学と茶道部だったのでお茶会の際に何度か着た程度です)
まずは着物の種類や名前を覚えるところから始まり、 この季節にはこのお着物、こういうシーンではこの組み合わせ…といったルールなど を学んでいきます。 はじめのうちは着方も分からないので、私より数か月先に入門した同期の子や、置屋 のお母さん、お姐さん達に手伝ってもらいながら着物を着ていました。
お休みの日には、早くひとりで着られるようにと練習を重ね、今では10~15分ほどで、パパっと着付けられるようになりましたよ! (そりゃ6年間、ほぼ毎日着ていれば嫌でも覚えますよね…というお話。笑)
A:ほとんど全て、自前のお着物です。舞台用のお衣装は「さっぽろ名妓連」のものを お借りすることもありますが、それ以外は、皆、自分のお着物を着ています。細かく寸 法を合わせてそれぞれの体に合うように仕立てているため、貸し借りなどは基本でき ません。
ただ、同じ背格好のお姐さんから「私が20代の頃によく着ていたのよ~」とお着 物や帯を譲っていただくことがあります。
質の良いものは長持ちするので、次の世代に渡すこともできるのがお着物の良いとことですね。
枚数は数えきれないほどで、 私の場合はタンス二竿(ふたさお)におさまらず、クローゼットなどにも収納しておりまして お部屋をまるまるひとつ、「着物部屋」として使っています。